1990 Fiscal Year Annual Research Report
事象関連脳電位(ERP)による注意・認知過程の分析
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02610070
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
沖田 庸嵩 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (70068542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸冨 隆 岩手大学, 教育学部, 教授 (60003951)
小西 賢三 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60068583)
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Keywords | 事象関連脳電位 / 選択的注意 / 相貌認知 / 視覚誘発電位 |
Research Abstract |
1.近年,ヒトの頭皮上から記録される事象関連脳電位(ERP)の研究は急速に進展し,ヒトの高次な認知情報処理機能を探求する有力な測度として期待されている.本研究では,注意・認知に関わる心理学的な諸問題を,特定化の進んでいるERP成分で解析を試みた.特に本年度は基本的な資料を得ることに努めた. 2.聴覚注意系における情報選別構造:感覚刺激入力チャンネル間選別とチャンネル内選別の選別難易度を実験的に操作した結果,注意関連ERP(Nd波)上で両選別過程間の相互作用を見出し,前注意段階の分類結果を確認する過程で注意限界容量を共用することが示唆された. 3.選択的聴取における視線方向の影響:聴取方向と視線方向が同じ条件に比べて反対側の条件では,特に左側スピ-カ-の聴取でNd波減衰を見出し,聴覚注意系への視線の作用を確証した.更にその視線効果は非注意側の刺激直後に増強し,聴取と視線の方向が異なる場合には注意方向の維持が困難なことが示唆された. 4.視覚選択的注意:上・下視野パタン刺激の一方に選択的に注意を払わせた結果,視覚受容野起源のERP諸成分(C1,C2,C3)のうち,C2成分と見なせる上視野刺激のP170と下視野刺激のN190の増強を見出した.本結果から,視覚1次野ないし視覚前野のレベル,あるいはそれ以前のレベルで働く感覚入力選別の関門機構が示唆された. 5.視覚認知:顔弁別事態において,既知の顔と未知の顔に対するERPの頭皮上分布を比較したところ,既知の顔では左半球(ウェルニッケ領野)優勢な陰性シフトを認め,相貌認知における名前などの言語手掛かりの関与が示唆された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 沖田 庸嵩: "聴覚注意におけるチャンネル間選別がチャンネル内選別関連脳電位に及ぼす影響" 心理学研究.
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[Publications] 沖田 庸嵩・諸冨 隆・田中 春美・小西 賢三: "上下視野パタン刺激への選択的注意が事象関連脳電位に及ぼす効果" 生理心理学と精神生理学.
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[Publications] Kenzo Konishi: "Hemispheric asymmetries in the eventーrelated potentials during face discrimination"