1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02610141
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
坂田 友宏 米子工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (60043577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 正 島根大学, 法文学部, 教授 (60101185)
永井 猛 米子工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (80164383)
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Keywords | 流域のもつ歴史性の差異 / 生業による経済性・文化性の差異 / 社会伝承面における地域性の差異 / 文化の流入経路による地域性 / 地域民の心性形成 |
Research Abstract |
平成2年度は主として千代川上・中流域と日野川上・中流域における文化伝承の地域差について調査した。その結果両地域において次のような差異が確認された。 1、歴史的にみると、千代川流域は古墳時代後期以降に開発された地域であり、これに対して日野川流域は縄文時代以降各期の遺跡が見られ、両者の歴史性には大きな差異が認められる。 2、生業関係においては、千代川流域は木地屋・林業に特色があり、日野川流域はタタラが中心である。両者を比較してみるとタタラによる経済的・文化的波及効果が格段に大きいことが知られる。 3、社会的伝承としては、千代川流域に顕著な同族結合が見られるが、一方親方・子方といった身分的階層は未分化であるのに対して、日野川流域においては同族結合が稀薄で、逆に親方・子方関係がよく発達している。 4、儀礼および芸能伝承においては、千代川流域は、但馬・播摩・美作など周辺との関連が認められる伝承が多いけれども、鳥取域下に発生したものが流域に拡大して行った文化にユニ-クなものが見られる。一方日野川流域は備中・備後・出雲・隠岐など周辺各地から伝えられた文化伝承が多い。 平成3年度は、以上のような資料を中心にして.相互の関連を考えながら課題の達成に努力して行きたい。
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