1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02610215
|
Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
坂東 浩司 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (10056096)
|
Keywords | ラフカディオ・ハ-ン / 生涯 / 軌跡 / 思想 / 業績 / 詳述 |
Research Abstract |
ラフカディオ・ハ-ン(小泉八雲)の14年余にわたる日本滞在のうち、本年度は神戸・東京(前期)時代(1895ー9)における活動の軌跡を重点的に考証した。 1、基本文献の調査 既刊の全著作集、草橋・書簡、ハ-ンをめぐる人々の書簡・日記、当時の新聞・雑誌記事などの第一次資料の精読を継読して行なった。なお、設備備品として計上した『小泉八雲草橋・未刊行書簡拾遺集』全3巻のうち、第3巻(「ノ-ト類」)の出版が遅れているため、この資料研究は来年度まで延期せざるを得なくなった。 2、資料の閲覧と収集 ハ-ン関係の貴重な資料を備えた松蔭女子学院大学、天理大学、国立国会図書館、横浜開港資料館、交通博物館を訪問し、未見の資料の閲覧および文献複写を行なった。特に、松蔭女子学院大学所蔵のマイクロフィルム約一万枚分の未刊の自筆書簡や取材メモ類は、貴重文献のため複写利用が許されず、すべて手書きの作業による記録を余儀なくされたため、原文の判読とタイプアウトの作業に手間取り、来年度もこれを継続してゆくことになった。 3、実地調査 ハ-ンゆかりの地である神戸の旧居、神戸クロニクル社跡、末慶寺(京都)を踏査し、著作との事実関係の検証を行なった。 4、成果の発表 ハ-ンの滞日約10年間分の言動の軌跡と心況の推移をつぶさに辿り、これまでの定説の見直しや自説の修正を行ない、さらに彼の活動の空白部分を埋める若干の新事実を加えて、その成果の一部を所属機関の紀要に発表した。
|
Research Products
(1 results)