1990 Fiscal Year Annual Research Report
日本語と英語におけるコミュニケ-ション・ル-ルの違いとその英語教育への応用
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02610232
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
田近 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 講師 (80188268)
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Keywords | Norms of Communication / 許可表現・依頼表現 |
Research Abstract |
平成2年度の主な成果は、英語の言語使用例のコ-パスを作成、およびそのデ-タを分析の結果から英語のある特徴的な一面がうかがえたことである。(このデ-タ処理は本年度の補助金により購入したコンピュ-タによる。)本研究を始めた当初、英語は「依頼する」より「許可を求める」表現の方が多いのではないかという仮説をたてたが、コ-パス分析の結果から、これを支持するような傾向がうかがえた。以下は全コ-パスから得られた“borrow"と“lend"に関する表現の例であるが、“Can I borrow…?"あるいは“…I(we)borrow…"の表現を用いた表現が多く、“borrow"が14例であるのに対し“lend"は4例であった。。 Lynne,can I borrow your Bruce Springsteen tape?/if we could borrow hedge clippers.…before you borrow my things!/Can I borrow the car next week?/Can I borrow ten bucks? Can I borrow your blue and white striped shirt?/…and only if I can borrow your white skirt.I borrowed it last night…/Sue,can I borrowyour pink Polo?/Last time you borrowed it,…/Karen,can I borrow your red sweater? Claire,can I borrow your new pajamas…/Why in the world do you need to borrow my pajamas? 今後はこの違いが単なる偶然ではなく、英語のコミュニケ-ション・ル-ルに即した現象であることを示していく予定である。そのため、英語のネイティブ・スピ-カ-に以上の言語使用状況を与えて、その中でかれらがどのような言語活動を行うかを調査するとともに、日本語についても同じような調査を行い、両言語におけるコミュニケ-ン・ル-ルの違いを明らかにしていく予定である。
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