1990 Fiscal Year Annual Research Report
地方公団体における生涯教育実施計画の策定方法に関する研究
Project/Area Number |
02620008
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田村 武夫 茨城大学, 人文学部, 教授 (70007821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 幸介 茨城大学, 人文学部, 助手
真山 遠志 茨城大学, 人文学部, 助教授 (50199915)
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Keywords | 生涯学習 / 生涯学習 / 行政の守備範囲 / 縦割行政 / 社会教育の見直し |
Research Abstract |
平成2年度の研究実績は、生涯教育について特定自治体の住民・社会諸団体・行政職員の受けとめ方をアンケ-ト調査の方法で把握したところである。農村地域として性格づけられる茨城県猿島郡猿島町(人口1.3万人)の教育委員会の協力を得て実施した調査の結果、生涯学習・生涯教育という言葉自体の認知も行政職員を除いて、一般住民では極めて低いこと、行政職員でも生涯学習・生涯教育の課題の広がり(=行政としての守備範囲)については理解に乏しく、依然として社会教育の関係事業とみなしている傾向がつよいこと、しかし、生涯学習・生涯教育分野の業務に異動・従事を希望する割合が比較的高いというデ-タが得られている。このような諸主体の意識状況から今後の課題としては、(1)即存の社会教育事業の実態と住民の存加水準についての確認、(2)住民の変様ないきがい追求(=学習実践)と結合・関連している行政サ-ビス全体の確認、(3)学習への行政サ-ビスの全体的な統合化(=即存の縦割行政の改変)、(4)住民の学習分野・水準の向上に〓する行政サ-ビス側の計画の体系化、という諸点が折出される。 上記の四っの課題について、他自治体の実施策を把握するために、新潟市および亀岡市に調査研究を行なう。新潟市では、教育委員会の「生涯学習課」による全行政部局の統括ー住民の学習に対する行政サ-ビス部門の把握ーと市内周辺部での学校・PTA・地域住民三者による「郷土史学習」の試みの実態を調査し、亀岡市では「既存の社会教育事業の見直し運動」ー住沢による評価システムの導入で社会教育の功罪を明確化ーを調査した。 文献を通じても、生涯学習・生涯教育の課題の広がり(地域社会の改革・まちづくり)を論及するものが少なく、いわんや行政の対応および守備領域についての明確化は今後の研究によるところが大である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田村 武夫: "生涯学習プランづくりと住民の学習要求" 住民と自治. 329. 28-33 (1990)
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[Publications] 茨城大学地域計画研究会: "猿島町における生涯学習についての住民意識調査報告" 茨城県自治体問題研究所, 168 (1990)