1990 Fiscal Year Annual Research Report
国際法上の自衛権ー国家実行から見た自衛権の現代的変遷
Project/Area Number |
02620009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
位田 隆一 京都大学, 法学部, 教授 (40127543)
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Keywords | 自衛 / 緊急避難 / 復仇 / 不可抗力 / 違法性阻却 / 比例性 |
Research Abstract |
昨年度の研究で自衛概念の問題の一端を示しえたが、本年度はさらに、(1)違法性阻却事由としての自衛を、他の近似する概念から区別するための基準に注目して、国家実行の検討を行なうと共に、(2)自衛概念における比例性要件の特徴を明らかにしようと努めた。 (1)につき、一応次の様に区分できる。自衛の主張の合法性基準として各事例を再考察する作業が必要である。 (2)は、昨年度に「ニカラグア対米国事件」で触れるところがあったが、国際法委員会アゴ-報告の検討や国家実行の分析からは、これまで理解されているような攻撃(侵略)迎撃(自衛)の量的比例ではなく、攻撃を阻止するという目的とそのために用いられる迎撃行動との質的比例であることが明らかになった。
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