1990 Fiscal Year Annual Research Report
社会的利益の実現メカニズムにおける政治家の役割についての実証分析
Project/Area Number |
02620034
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
岩井 寿信 常磐大学, 人間科学部, 助教授 (10160079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 美克 聖学院大学, 政経学部, 専任講師 (70213311)
桑原 英明 常磐大学, 人間科学部, 専任講師 (80225325)
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Keywords | 政治家 / 地元利益 / 社会的利益 / 有権者意識 / 政策決定 / 与野 / 野党 / 事例研究 |
Research Abstract |
平成2年度は、先行研究に関する文献の収集、検討、新聞等の資料収集を精力的に行なった。その過程で予算との関係から一部の計画の絞り込みを行ない、有権者利益について、争点を8つ程度に限定し、分析を行なうことにした。それにもとづき、11月に小規模な有権者忠誠調者をパイロットスタディ-として行ない、有権者年金と地元利益優先志向との間に正の高い相関性があること、農村部においては、有権者と政治家との関係が言われているよりも強いことなどが明らかにされ、本研究の仮説についての立証の可能性が高まった。同時に国会議員に対するインタビュ-調査も開始したが、この内、女性議員に対するものは「文芸春秋」誌上で公表した。ただ、本研究が対象としている茨城をはじめとする北域出身政治家へのすべてのインタビュ-は完了するに至っていない。政治家に対するインタビュ-で明らかになったことは、地元利益実現のそめにどのような活動を具体的に行なっているかであり、特に野党議員の活動の実態である。そこでは具体的な事例調査をもとに野党議員が官係に対し事実問題を提示し、それにもとづき、官係の議量範囲で影響力を行使するというものである。さらに近年では、北方議員を通じての社会の実現のメカニズムが、野党にせよ与野にせよ、国会議員を通じて行なれている場合が急増し、地方政治家の役割が増加する一方で、国会議員の役割が大きなものになっていると同時に北方レベルの予算面については知事の役割が増加していることも明らかになりつつある。現在2月に行なった茨城県における有権者意識調査を元に本格的な国会議員調査の準備を進めており、平成3年度にこれを実施し、両者の実見デ-タを比技することを通じ、有権者の役割期待と政策決定メカニズムとの質問を明らかにして行く予定である
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[Publications] 岩井 奉信: "女性議員を徹底調査する" 文芸春秋. 1991年3月号. 338-354 (1991)
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[Publications] 岩井 奉信: "利益集団と地方選挙" 都市問題. 82ー2. 29-42 (1991)
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[Publications] 桑原 英明: "費用便益分析と政策科学" 政策決定の理論 白鳥会編. 161-180 (1991)
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[Publications] 桑原 英明: "行政文化と町づくり施築の展開" 季刊 行政管理研究. 1991ー3. (1991)