1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02630064
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
近藤 勝直 流通科学大学, 商学部, 教授 (70026300)
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Keywords | 時間価値 / 交通行動分析 / SPデ-タ |
Research Abstract |
[1]レビュ-から得られた時間価値研究の再構築の視点: 1)高速道路利用者の真の代替ル-ト(公共交通機関も含めて)を特定する必要のあること。従来は予断的に平面道路に限定されていた。2)分断されたトリップ単位での節約時間を議論するのではなく、1日の交通/活動のスケジュ-ル総体の中での節約時間を問題にする必要がある。3)高速道路利用の便益は節約時間以外にもあり、純粋に節約時間便益およびその対価を分離する必要がある。4)節約された時間の価値とは、それを振り向ける活動の時間価値であるという視点が必要である。5)節約時間便益の帰属先の特定が、ル-ト選択や料金支払意思の分析にとって重要である。 [2]高速道路料金と時間価値の関係に関する理論的考察から得られた知見: 1)高速道路利用に余剰が存在する限界的な利用者の時間価値はトリップ長に依存する、すなわち、トリップ長が大きいほどその値は小さくなる。(長トリップの相対的有利性)2)料金改訂の場合には、従来の行動デ-タから予想した限界値よりも低い時間価値のひとびとの利用がありうることに留意しておく必要がある。その結果、期待したほど交通量が減少しない。 [3]SPデ-タによる時間価値の計測から得られた知見: 1)仮想的選択肢にもとづくSP調査を阪神高速道路公団の協力で実施した。その結果、利用車の1分あたりの時間価値は30円から60円あたりに分布していることが判明した。2)非集計モデル分析からは、モデル構築の方法にもよるが30円から40円あたりが平均的であると結論される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 近藤 勝直: "時間価値研究の再構築" 流通科学大学論集(流通・経営編). 3ー1. 13-21 (1990)
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[Publications] 近藤 勝直: "高速道路料金と時間価値に関する若干の考察" 流通科学大学論集(流通・経営編). 3ー2. (1991)
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[Publications] 近藤 勝直: "高速道路料金と時間価値" 交通工学.