1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640201
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
若松 謙一 岐阜大学, 教養部, 教授 (30021801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 実継 神戸女子大学, 文学部, 助教授 (60164563)
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Keywords | 銀河中心核 / セイファ-ト銀河 / クェ-サ- / 銀河間衝突 / ブラックホ-ル |
Research Abstract |
銀河間衝突が銀河中心核の核活動、特にセイファ-ト現象やクエサ-と深く係わっているのではないかとの仮説は1985年に出され、最近大きな関心を呼んでいる。衝突によって相棒銀河から剥ぎ取られたガスが銀河中心核へと降り積もってゆき、そこで爆発的な星の形成を起したり、ブラック・ホ-ルへガスを供給して銀河中心核を活性化する、というのである。 銀河間衝突で形成された事が極めてはっきりしている「リング状銀河」について、米国立セロトロロ・インタ-アメリカン天文台で得たCCD撮像、分光観測のデ-タを本研究費で購入したSUNワ-クステ-ションを用いて解析を行い、現在までに以下の結果を得た。 1.約40個のリング状銀河の中心核は輝線や強いバルマ-吸収線を示しており、星形成等の激しい核活動が起こっている事を見いだした。 2.輝線を示す銀河の大部分はライナ-(LINER)やスタ-・バ-スト型であり、セイファ-ト2型はわずか3個、1型は新たには1個も発見出来なかった。 3.また、多くのリング状銀河がIRAS赤外線源であることもつきとめた。 4.以上の事より、リング状銀河では予想通り星の形成は極めて活発ではあるが、セイファ-ト1型が少なかったことより、銀河間衝突がブラック・ホ-ルへガスを供給して銀河中心核を活性化する、とのシナリオを検証するには至らなかった。 5.その理由として、リング状銀河を形成する衝突は銀河ディスクを垂直につっきるタイプなので、ガスを中心核へ落し難くなっているとも考えられるが、その割にはスタ-・バ-スト型が多いことからそう単純でもなさそうである。平成4年7月にもう一度セロトロロ天文台で観測できる事となったため、これらの点をより突き詰めたいものである。
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[Publications] Wakamatsu,K.: "A Ring Galaxy in Canes Venatici and Related Galaxies" Publications of the Astronomical Society of the Pacific. 103. 392-395 (1991)
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[Publications] Wakamatsu,K.: "Nuclear Spectra of Peculiar Elliptical Galaxies with OuterRings" Annales de Physique. 16. 115-120 (1991)
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[Publications] Wakamatsu,K.: "Nuclear Plumes in HotーSpot Galaxy NGC 2782 (=Arp 215)" Astrophysical Journal. (1992)
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[Publications] Nishida,M.T.: "Disolution of Bar Structure due to Scattering of Stars by Massive Nucleus" Astrophysical Journal. (1992)
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[Publications] Sofue,Y.: "External Fueling and Stocastic Ignition of Starburst in Isolated Galaxies" Publication of the Astronomical Society of Japan,Letters. 43. L57-L61 (1991)
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[Publications] Sofue,Y.: "Feeding AGN of Elliptical Galaxies by RamーPressure Accretion of Intergalactic HI Clouds" Publication of the Astronomical Society of Japan,Letters. 44. (1992)
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[Publications] 若松 謙一,他: "新しい宇宙像の探究" 岩波書店, 321 (1990)