1990 Fiscal Year Annual Research Report
超新星爆発時における物質混合の数値シミュレ-ション
Project/Area Number |
02640204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蜂巣 泉 京都大学, 工学部, 助手 (90135533)
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Keywords | 超新星爆発 / レイリ-テイラ-不安定 / 物質混合 / 光度曲線 / X線 / ガンマ線 |
Research Abstract |
マゼラン大星雲で爆発した超新星(SN1987A)は、地球に近いこともあってニュ-トリノや電磁波の色々な波長帯での観測が行なわれた。とりわけX線やガンマ線での観測は、超新星の爆発時に大規模な物質混合が起こったことを示していた。このような物質混合を起こすもっとも有望なメカニズムとして、レイリ-・テイラ-不安定がある。 本年度は、昨年度作成した数値計算コ-ドを用いて、2次元軸対称の仮定のもと、超新星爆発時のレイリ-・テイラ-不安定を追いかけた。SN1987Aの爆発直前の星のモデル(親星)は、詳細な進化モデルから決まるものを用いて、1729x1729の非常に大規模の格子点の上で計算を行なった。観測を定量的に説明するには親星のリアルなモデルと高精度の数値計算が必要だからである。計算から出てきた物質混合は、SN1987Aの観測を定量的に非常に良く説明することがわかった。 この成功によって、われわれは2次元軸対称の数値計算コ-ドに自信を得たので、さらに他のタイプの超新星爆発に応用して、実際に物質混合がどの程度起きるかも調べた。 IbあるいはIc型と分類される超新星は、ヘリウム星の超新星爆発であるとされていたが、その親星の質量がどの程度のものであるのかについては判然としていなかった。その理由は超新星の光度曲線を理論的に合成して観測と比較してみるということが行なわれていなかったことによる。また、爆発殻中での物質混合の程度と光度曲線の減衰の速さには非常に重要な関連があるので、数値計算でその量を決めることが求められていた。われわれの計算の結果、水素外層がはがされた3ー4太陽質量のヘリウム星は、その超新星爆発時に爆発殻中で大規模な混合を起こし、Ib/Ic型超新星の光度曲線をうまく再現できることを示すことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiharu Eriguchi: "Disk evolution caused by the gravitational radiation reaction" Astronomy and Astrophysics. 231. 61-72 (1990)
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[Publications] Hiroshi Itoh: "Xーray decline and rejuvenation of a recurrent nova" The Astrophysical Journal. 358. 551-560 (1990)
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[Publications] Izumi Hachisu: "Nonlinear growth of RayleighーTaylor instabilities and mixing in SN1987A" The Astrophysical Journal(Letters). 358. L57-L61 (1990)
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[Publications] Joel E.Tohline: "The breakup of selfーgravitating rings,tori,and thick accretion disks" The Astrophysical Journal. 361. 394-407 (1990)
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[Publications] Izumi Hachisu: "RayleighーTaylor instabilities and mixing in the helium star models for type Ib/Ic Supernovae" The Astrophysical Journal(Letters).
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[Publications] Mariko Kato: "Is drag luminosity effective in recurrent novae?" The Astrophysical Journal.