1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640205
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
向井 正 神戸大学, 理学部, 教授 (10097412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 苑生 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00097411)
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Keywords | 彗星塵 / 光散乱 / 光学定数 |
Research Abstract |
ハレ-彗星の赤外線10ミクロン波長域にみつかったバンド構造は、その後ブラッドフィ-ルド彗星(1987s)や、レビ-彗星(1990c)にも存在することが観測された。我々(Mukai and Koike 1990,Icarus 87,180)は、オリビン粒子の光学定数を室内で測定し、Mie理論に基ずく波長10ミクロン付近の放射係数の計算から、このバンド構造が、オリビン粒子によることを明かにした。その際、オリビン粒子が小さい(半径0.1ミクロン程度)ことが、鋭いダブルピ-ク構造を再現するために不可欠であることが判った。 そこで、こうした微小塵が、彗星大気中に現れるメカニズムを考察した。彗星中心核から流れ出た不規則形状塵(粒径数十ミクロン)が、彗星大気中で被る静電破壊が、微小塵の生成に効果的であることを提案した(Mukai 1990,印刷中)。 また、こうした微小塵と、破壊を受ける前のかなり大きい不規則形状塵の混在した彗星大気塵モデルが、観測されている彗星の可視波長域での、散乱光強度及び偏光度の位相角(太陽ー彗星ー地球がなす角度)依存性をよく説明することを示した(Mukai and Mukai 1990,Icarus 86,257)。この証明において、不規則形状塵表面の凹凸が、光散乱に与える効果を取り入れた数値計算モデルを開発した。 今後は、こうしたオリビン粒子が、原始太陽系星雲内で、彗星中心核に取り込まれていく過程を調べることによって、星雲内での塵の運動や、その成長について検討していく。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tadashi Mukai: "Optical Constants of Olivine Particles between Wavelengths of 7 and 200 μm" Icarus. 87. 180-187 (1990)
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[Publications] Sonoyo Mukai: "Analysis of Photopolarimetric Data of Comets at Small Phase Angles by Rough Surface Scattering" Icarus. 86. 257-263 (1990)
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[Publications] Tadashi Mukai: "Electrostatic Fragmentation of Irregularly Shaped Particles" Origin and Evolution of Interplanetary Dust.
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[Publications] Sonoyo Mukai: "Scattering Properties of Cometary Dust based on Polarimetric Data" Origin and Evolution of Interplanetary Dust.
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[Publications] T.Mukai(eds.K.Nakazawa,et al.): "“Primitive Solar Nebula and Origin of the Planets"Chapt.6.5.Cometary Dust" Kluwer Academic Publ.,