1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
九後 太一 京都大学, 理学部, 助教授 (00115833)
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Keywords | 非多項式閉弦場の理論 / ユニタリ-化処法 / BRS不変性 / 3次元重力理論 / 1 / N展開 / くりこみ可能性 / カイラル対称性 / BetheーSalpeter方程式 |
Research Abstract |
1.先に我々のグル-プ(国友,末廣および私)とSaadiーZwiebachが構成した非多項式型の閉弦の場の理論に関して,そのBatalinーVilkovitski方程式との関連や,畑のユニタリ-化処法がこれにも適用できること等を畑と共同で明らかにし,その一部は去年のTexasでのSuperstring'90のワ-クショップで講演発表した。畑のユニタリ-化処法は,古典的BRS不変な作用積分が与えられたとき量子論的BRS不変作用積分を決定する処法で,すでに畑により量子論の全次数でユニタリ-な振幅を導くことが証明されているが,私はこの証明をS行列生成汎函数を用いた議論により相当簡単化できることを示した。 2.近年3次元時空での純重力理論が位相的場の理論と同等で厳密に解ける模型として注目されているが,物質場を結合させるとくりこみ可能性さえも明らかでなくなる。私は物質場の個数Nの逆数による1/N展開を用いればこの系も次数勘定でくりこみ可能となることを示した。この結果自体は正しいが,その後,この重力場の伝播函数にタキオン極が存在することが判明し,物理的にはこの真空が不安定であることになり論文は一時取下げた。現在その物理的解釈および困難の回避の方策を考えている。 3.QCDや弱・電磁相互作用の標準模型に於いてカイラル対称性の自発的破れは普遍的現象で種々な模型構築に際して重要な役割を果たす。私は,青木,坂東,Mitchardらと共同で,QCDに於けるπ中間子の崩壊定数を東島近似のBetheーSalpeter方程式を用いてより厳密に求める方法を考案し,それまで知られていたPagelsーStokerの近似式がかなりよい精度の近似式である事を明らかにした。また東島近似のBS方程式を用いてQCDのPメソン,A_1メソン,スカラ-メソンの質量や崩壊定数を数値的に求め,それらが驚く程良く実験値を再現することを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Bando: "Compositeness Condition in the Renormalization Group Equation" Physics Letters. B246. 466-470 (1990)
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[Publications] K.ーI.Aoki: "Calculating the Decay Constant f_π" Progress of Theoretical Physics. 84. 683-701 (1990)
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[Publications] K.ーI.Aoki: "Asymptotics of the Pseudoscalar BetheーSalpeter Amplitude" Progress of Theoretical Physics. 85. 355-369 (1991)
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[Publications] K.ーI.Aoki: "Meson Properties from the Ladder BetheーSalpeter Equation" Phys.Rev.Lett.