1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640232
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細谷 暁夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (80028258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大桑 良彰 宮崎医科大学, 講師
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Keywords | 三次元重力 / トポロジ- / ワ-ムホ-ル / 量子宇宙 / トンネル効果 / 双曲幾何 / コンパクト化 |
Research Abstract |
細谷は,大学院生等と協力して,量子重力の2+1次元モデルを研究し,特に宇宙のトポロジ-変化の数学的モデルを具体的に構成することができた。この研究は,数年前にホ-キングとコ-ルマンによって提唱され注目された,ワ-ムホ-ルによる宇宙項ゼロの理論における問題点を,可解な低次元時空モデルにおいて明らかにしようという意図ではじめられた。ここでわかった事は,2+1次元時空におけるトポロジ-変化は,数学的にみても多様で,その全ぼうを知るために未だやる事がたくさんある豊かな分野であるという事であった。このれで,量子重力におけるトポロジ-変化について,その可能性と重要性についての議論はあったが,具体的な例は発見されていなかった。東工大のグル-プは,2+1次元アインシュタイン重力理論を双曲幾何を用いて,種数あるいは連結成分の数の変化する過程(トンネル過程)の遷移振中を準古典近似で求めた。 以上が主要な成果であるが,他にも2+1次元重力における質点の運動,ト-ラス宇宙における超空間の構造の解明,共形因子の扱いについても成果を発表していて,すでに出版されている。 大桑は,逆に4次元より高い次元の時空にホ-キング・コ-ルマンの機構を摘用した。ワ-ムホ-ルによる次元コンパクト化への影響を調べた。特に,内部空間として,S^3とS^2×S^1のどちらかが実現しやすいかを比べた。結果として,ふつうに採用されているS^3の方が確率的に有利であることがわかった。
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[Publications] Akio HOSOYA: "Abelian Gauge Theory in Topologically Nonーtrival Space" Modern Physics Letteco A4. 26. 2539-2547 (1989)
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[Publications] Akio HOSOYA: "(2+1)ーDimensional Pare Gravity for an Arbitrary Closed Initial Surface" Classical and Quantum.Gravity. 7. 163-175 (1990)
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[Publications] Akio HOSOYA: "(2+1)ーDimensional Quantum Gravityーcase of Torus Universeー" Prosress of Theoretical Physics. 84. 739-748 (1990)
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[Publications] Yoshiaki Ohkuwa: "Can the Dimensional Reduction be Explaired by Baby Universes" Progress of Theoretical Physics. 84. 164-171 (1990)