1991 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線及び自然放射能による鉱物の熱ルミッセンス特性の研究と隕石への応用
Project/Area Number |
02640239
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
福田 和悟 大阪産業大学, 教養部, 教授 (80066943)
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Keywords | アルカリ長石 / 熱ルミネッセンス / TLグロ-ピ-ク / 蛍光帯 / X線照射 / anomalous fading / natural / thermal cleaning |
Research Abstract |
アルカリ長石およびウイットロックカイト(βーCa_3(PO_4)_2)の熱ルミネッセンス(TLと以下、略記)特性を調べた。naturalのアルカル長石において、200℃から300℃にかけてTLグロ-ピ-クが観測された。特にマイクロクリン、アマゾナイト、オルソクレイスはにおいて、250℃から275℃にかけて特徴的なTLグロ-ピ-クが観測された。一方、X線照射したアルカル長石においては、80℃から200℃にかけてTLグロ-ピ-クが観測され、naturalのTLグロ-曲線において観測されたTLグロ-ピ-クは非常に小さく、観測されなかった。また、thermal cleaningによって80℃から350℃にかけて、80℃、110℃、170℃、230℃、300℃にTLグロ-ピ-クのあることが分かった。このように多くのTLが重なっていることが、anomalous fadingの原因となっているとも考えられる。アルカリ長石に特徴的な400nmから425nm付近にピ-クをもつ幅広い蛍光帯は、長石の構造からくるAlーO^ーーAl中心、AlO_4^<5ー>中心などによるものと考えられる。 マイクロクリン、アマゾナイト、アルバイトにおいて観測される275nmにピ-クをもつ蛍光帯は、長石に含まれているPb^<2+>イオンによるものではないかと考えられる。CeO_2添加Ca_3(PO_4)_2で観測される350nmにピ-クをもつ蛍光帯は、Ce^<3+>イオンによるものであり、反応式Ce^<4+'>+electron→Ce^<3+・>→Ce^<3+>+h_υ(350nm)によるものであろう。CeO_2とTm_2O_3をともに添加するとイオン間の相互作用により、TLグロ-ピ-ク強度が大きく変化することが分かった。
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