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1990 Fiscal Year Annual Research Report

ラマン散乱によるシリカエアロジェルにおけるフラクトンの研究

Research Project

Project/Area Number 02640243
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

辻見 裕史  北海道教育大学, 教育学部函館分校, 助教授 (20113673)

Keywordsフラクタル / 弾性波 / シリカエアロジェル / ラマン散乱 / 中性子散乱 / スカラ-・フラクトン / ベクトル・フラクトン / ペ-ハ-依存性
Research Abstract

シリカエアロジェルのフラクタル領域における動的フラクタル構造は、年々解明されつつある。平成2年度、我々はシリカエアロジェルのラマン散乱と中性子散乱を行い、その成果を以下の研究発表の項で示した論文にて公表した。この論文の概要は、つぎの通りである。
シリカエアロジェルのようなフラクタル構造を持つ物質における弾性波の挙動は,最近までは,主にスカラ-弾性変位(ストレッチング)に起因するフラクトンという立場から考えられてきた。すなわちスカラ-・フラクトンの理論の構築が盛んに迫求されてきた。しかし、この理論はフラクタル領域の高周波側では成り立つが,低周波側では成り立たず、そこではベクトル弾性変位(ベンディング)がフラクトンの挙動を規定しているとするベクトル・フラクトンの考え方が理論の方で現われてきた。我々は、PH7とPH8・5のシリカエアロジェルの試料を作製した。両試料において、それぞれのフラクタル領域にて得たラマン散乱と中性子散乱の結果を比較することにより、約10GHzを境に高周波側にスカラ-・フラクトが、そして低周波側にベクトル・フラクトンが存在することを実験的に検証した。また、動的フラクタル構造を特徴づけるスカラ-・フラクトンのフラクトン次元とベクトル・フラクトンのフラクトン次元をそれぞれ、d^^=_sとd^^=_bとで表わすと,PH7の試料では、d^^=_s=1.3,d^^=_b=2.2、またPH8.5の試料では、d^^=_s=0.9、d^^=_b=1.7なる値を得た。これから、フラクトン次元は、PH依存性があり、フラクタル構造に依存する量であり,またd^^=_s<d^^=_bなる関係はPHに依らず成立すると結論づけた。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] R.Vacher,E.Courtens,G.Coddens A.Heidemann,Y.Tsujimi,J.Pelous and M.Foret: "Crossorers in the Density of States of Fractal Silica Aerogels" Physical Review Letters. 65. 1008-1011 (1990)

URL: 

Published: 1993-08-11   Modified: 2016-04-21  

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