1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640257
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 清寛 大阪大学, 理学部, 助手 (00187676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
吉田 立 大阪大学低温センター, 助手 (90127316)
山岸 昭雄 大阪大学極限物質研究センター, 助教授 (10006273)
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Keywords | 高温超伝導 / 強磁場 / 2次元伝導 / 希土類化合物 / 磁化測定 / 磁気抵抗 / スタッガ-ド磁場 / 多段磁化 |
Research Abstract |
1.超伝導状態を示すNd_<2-x>Ce_xCuO_4の強磁場下で超伝導が壊されることにより現われた常伝導状態での抵抗値を測定して、常伝導抵抗の温度変化についてさらに追及した。抵抗の温度変化が約4〜20Kの温度範囲で1nTの温度依存性を示しす事を実験の精度を上げて確認し、その原因について解析した。10T以上の磁場でも1nTは見えており近藤効果とは考えらず、2次元系での弱局在領域の電気伝導の1nT依存性によるものと結論した。強磁場で観測される1nTは2電子間の相互作用による効果と自然に理解できる。2次元弱局在領域の伝導の式に2次元伝導の厚さdをパラメ-タ-にしてフィットさせると、dはほぼc/2=6A^^°と求まり2次元伝導がこの系固有のものであることを示している。 2.超伝導関連物質であるR_2CuO_4の強磁場磁化を系統的に調べた。以前測っていたNd_2CuO_4では[110]の磁化の飛び(スピンフッロプ)と[100]のものが異なることを見出し、[100]の磁化の異常はCuイオンからのCuーNd間の相互作用によるスタッガ-ド磁場とNdーNd間の相互作用との間のフラストラションでNdスピンが2回フリップする新しいモデルで説明できる。来年度にはNd_<2-x>Ce_xCuO_4で磁化をはかり、Ceの効果を見る予定である。今回新たにGd_2CuO_4で強磁場でのGdの単純な反強磁性の磁化過程に加えて1テスラ(T)以下の低磁場でバラエティに富んだ異常磁化が見られた。その磁化はc面内で見られ、1.3Kでは大きさ約1/1000μ_Bの微小な磁化の飛びがT_Nよりしたでほぼ等間隔に4つ観測された。T_Nより上では新たにシャ-プな2つの磁化の飛びになり20K辺りでO磁場の弱い強磁性磁化と成る。これらの異常の原因は目下のところ不明だが、GdスピンのT_N以上でのショ-トレンジオ-ダ-、スタッガ-ド磁場、ジャロチンスキ-.モリヤ相互作用などを考慮して現在解析中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Sugiyama: "Kondoーlike effect in electron highーT_c superconductor Nd_<2-x>Ce_xCuO_y" Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 90&91. 687-688 (1990)
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[Publications] O.Kondo: "High field Magnetization of Nd_2CuO_4" Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 90&91. 79-80 (1990)
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[Publications] Yoshikazu Hidaka: "Two Dimensional Weak Localization in Electron HighーT_c Superconductor Nd_<2ーx>Ce_xCuO_y under High Magnetic Field" Journal of Physical Society of Japan. 60. (1991)
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[Publications] Kiyohiro Sugiyama: "Anomalous StepーMagnetization in Gd_2CuO_4 Single Crystal" Journal of Physical Society of Japan.