1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640276
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 基彦 大阪大学, 教養部, 教授 (80012441)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 光 大阪大学, 教養部, 助教授 (30153018)
|
Keywords | シュタルク・ラダー / 2次元電子系 / ウィーグナー結晶 / トポロジカル転移 / 3角格子磁性体 / モンテ・カルロ法 / 量子融解 |
Research Abstract |
強電場・強磁場を加えたときの2次元強束縛模型についてエネルギー・スペクトルを調べた。強電場を加えたとき線状結晶ではシュタルク・ラダーと呼ばれる離散的な状態が生ずるが、2次元の場合は電場結晶軸の方向からはずして、軸とある角度をなすように加えると周期長は不規則的に変わりエネルギー・スペクトルも不規則になると期待される。計算の結果はそれにも関わらず状態密度は規則的であることが判明した。強電場と共に強磁場を加えると電場の強さに応じて状態密度は興味ある振舞いをすることが判明した。 液体ヘリウム面上の2次元電子系の作るウィーグナー結晶の量子融解を理解するためフォノンについて非調和項を取り入れた計算を行ったが、これがほぼ完成し、これより論文にまとめるところである。 渦励起を持つ2次元系のトポロジカル転移の解析を継続・発展させた。渦励起に伴うトポロジカル転移のオーダーパラメーターとして渦度モデュラスを前年度に提唱したが、今年度はその振舞いをモンテカルロ法と適当な境界条件を組み合せることにより具体的に計算した。所謂コスタレッツ-サウレス転移が期待される2次元XYモデルの他、Z_2渦を持つ3角格子反強磁性ハイゼンベルク・モデル、及び渦励起を持たない強磁性ハイゼンベルク・モデルを扱った。データを有限サイズ・スリーリング法に基づき解析した結果、XYモデルについてはコスタレッツ-サウレス理論を直接支持する結果が、また3角格子系についても以前川村・宮下により示唆された有限温度でのZ_2渦によるトポロジカル転移を支持する結果が得られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] T.Nakanishi: "Stark Ladders in a Tow Dimensional Tight-Binding Model" Proceedings of the 21st International Conference on the Physics of Semiconductors(in press).
-
[Publications] T.Nakanishi: "Electronic States of a Two-Dimensional Tight-Binding Model in Electric and Magnetic Fields" Physica B. (1993)
-
[Publications] M.Kikuchi: "Free-Vortex Formation of the Plane Rotator Model" J.Magn.Magn.Mater.104-107. 227-228 (1992)
-
[Publications] H.Kawamura: "Free-Vortex Formation and Topological Phase Transitions of Two-Dimensional Spin Systems" Phys.Rev.B. (1993)
-
[Publications] M.Saitoh: "Yamada Conference XXX Electronic Properties of Two-Dimensional Systems" Yamada Science Foundation, 721 (1992)