1990 Fiscal Year Annual Research Report
異方性球共振法(RST法)の開発とその地球物質の弾性・非弾性の測定への応用
Project/Area Number |
02640307
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 功 岡山大学, 理学部, 助教授 (60033198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 一郎 愛媛大学, 理学部, 助教授 (00116914)
|
Keywords | 球共振法 / 共振法 / 弾性率 / カンラン石 |
Research Abstract |
異方性球共振法を信頼性のある測定法として確立するためには、いくつかの困難な障壁を克服しなければならない.試料の固有周波数を計算するための基本的なプログラムはすでに作成されているので、その改良をも含めて、研究計画の各項目につき達成度を以下に示す。 (1)計算プログラム:固有周波数を計算する手続きに誤りのないことを確認する意図を含めて、上述の計算プログラムを発展させて、弾性的な立方対称性を有する球の振動変位分布を計算し、検討した.その結果異方性球の振動の特質を明らかにするとともに、計算手続きに誤りのないことを確認した.次いで対象試料が完全球から3軸楕円体へと変形した際に生ずる固有振動数fのずれδfを見積る計算プログラムを作成し、(3)の測定に応用して実用性を確かめた.得られたδf/fは偏平率と同オ-ダであるが、振動モ-ド毎にかなり変化することがわかった. (2)試料整形法:今年度は、直径約1mmまでの球の作成を可能とした.球共振法の目標とするより小さな試料に対してはさらに改良が必要である。 (3)測定:上部マントルに最も多量に存在すると考えられる物質カンラン石の直径1.8mmの試料について詳細な共振の測定を行った.共振周波数より弾性率Cijを、また共振ピ-クの半値巾より伝播効率Qijの決定を行い、妥当な値を得た.従来共振法は微小試料には不適当であるとの主張もあったが、今回の結果によりその考えは退けられ、共振法の有効性が確認された. (4)自動化:共振測定の自動化を目指し、共振周波数,振巾,温度/圧力デ-タのGPーIBを通しての自動収録を試み、実現した.今後測定法全体の完全自動化への改善を重ねていくつもりである.
|
-
[Publications] Hitoshi Oda,Isao Suzuki,Ichiro Ohno: "A linearized inversion method to determine the elastic constants of homogeneous anisotropic mateinals:" J.Phys.Earth.
-
[Publications] Hitoshi Oda,Isao Suzuki,Satoru Isoda and Kiyoshi Seya: "An application of the Resonant Sphere technique to determination of elastic constants of single crystal periclase" J.Geophys.Res.