1992 Fiscal Year Annual Research Report
トカラ海峡における黒潮の流軸・流速・流量とそれらの変動
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02640319
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
前田 明夫 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90013573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 徹 鹿児島大学, 工学部, 助手 (20158174)
櫻井 仁人 鹿児島大学, 工学部, 講師 (10094145)
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Keywords | 表面水温 / 検潮記録 / 黒潮流量 / 黒潮フロント / 大隅分枝流 / 赤外画像 / 黒潮流軸指標水温 |
Research Abstract |
トカラ海峡の表面水温の時系列とこの海峡周辺の検潮記録を解析して、黒潮流量の同海峡内の配分は、15日から2ヶ月の時間スケールの黒潮フロントの南北移動と良い対応があることを示した。又、フロントの北上は鹿児島湾内への流入と大隅分枝流の強化に関係しており、北上後約4日程遅れて強化されることを示した。この結果は現在日本海洋学会英文誌に印刷中である。人工衛星による赤外画像によって東シナ海における黒潮フロントの蛇行を追跡した。蛇行は陸棚水の黒潮中への舌状の貫入およびその逆の貫入と関係し、屋久島の西側の黒潮の平均的な変曲点における舌状貫入の発達が黒潮フロントの北上と関連していることを示した。この結果は第18回宇宙科学技術国際シンポジウム講演論文に掲載された。過去20年間のBT観測結果を解析して、東シナ海における黒潮流軸の指標水温は200m深で17.2゚Cであることを示した。この指標水温から黒潮流軸位置を求めた結果、トカラ海峡では平均流軸位置は中之島付近に存在し、変動幅は約25kmであることが分かった。この結果は海洋気象学会誌「海と空」に掲載が決定されている。中之島の東沖水深750mの360m深と560m深に係留した流速計で得た資料を解析した結果、360m深における流速は変動性に富んでいるが、560m深における流速はあまり変化せず、ほぼ南南西に向かっていることおよび下層の方が流速の絶対値が大きいことを示した。又、海底地形との対応から下層の流速は強く地形に依存していることを示した。この結果は定期船でADCPによって測流したものとほぼ類似している。これらの結果は1993年5月に中国の青島で開催される日本海および東シナ海に関する国際シンポジウムで報告する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akio Maeda: "Application of Satellite In frared Image to Monitor Changes of the Kuroshio in the Tokara Strait" Proceeding of the Eighteenth International Symposium of Space Technology and Science. 2027-2031 (1992)
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[Publications] Akio Maeda: "Fluctuation in Volume Transport Distribution Accompained by the Kuroshio Migration" Jornal of Oceanography. 49. 231-245 (1993)
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[Publications] 櫻井 仁人: "トカラ海峡における黒潮測流(I)" 1992年度日本海洋学会 春季大会講演要旨集. 50-51 (1992)
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[Publications] 前田 明夫: "定期船に装備したDCPによるトカラ海峡の黒潮流速断面観測" 1992年度日本海洋学会 秋季大会講演要旨集. 29-30 (1992)
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[Publications] 櫻井 仁人: "トカラ海峡における黒潮測流(II)" 1992年度日本海洋学会 秋季大会講演要旨集. 31-32 (1992)