1990 Fiscal Year Annual Research Report
飛翔体搭載用精密磁力計の検定装置の開発と磁力計較正法の研究
Project/Area Number |
02640327
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
遠山 文雄 東海大学, 工学部, 教授 (40056156)
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Keywords | フラックスゲ-ト磁力計 / ヘルムホルツ・コイル / 磁力計検定 / 回転磁場制御 |
Research Abstract |
ロケットや人工衛星に搭載されているフラックスゲ-ト磁力計の測定値をヘルムホルツコイル中央に固定したまま飛翔体の運動(スピン,プレセッション)に即して出力させ,磁力計の感度,三軸直交性などの検定を行うことを目的とした実験,研究を行っている。平成2年度は三軸ヘルムホルツコイルにパソコンでプログラムされた電圧値に直流電源を制御して印加する実験とソフトウエアの開発を行い,当初予定した出力結果を得ることが出来た。ヘルムホルツコイルに補助コイルを巻いて直流打ち消し磁場の印加量と交流電流による磁場変動量は飛翔体の運動パラメ-タ(スピン,プレセッションの大きさ,周期)および磁場パラメ-タ(磁場の大きさと方向)をパソコンに入力することによって自動的に計算され,電流電源6台の初期値の設定後スタ-トさせれば,コイル中央に固定した磁力計の出力は宇宙空間を運動するロケットや人工衛星に搭載した磁力計の模擬的出力が得られる。これらの値はCRTおよびデ-タレコ-ダに記録され,出力解析を行った。出力解析の計算機による自動解析ソフトウエアは平成3年度に開発の計画であるが、今年度はデ-タレコ-ダによる結果の解析評価を行った。その結果,直交した2軸の印加磁場の制御精度は1〜2秒のスピンに対して0.1度以下の精度で直交しており,また印加磁場の感度精度もコイル定数の誤差以内で制御出来た。プレセッションに相当する長周期(約30秒以上)の振幅変動制御は容易であり,垂直成分変動の制御も可能であることを確認した。ロケットの速いスピン(数Hz程度)にどの程度まで追従性があるかは演算速度の速いパソコンの使用と制御プログラムの改良による。今年度は,より高精度の周波数特性を持たせるための制御および出力解析と評価のためのソフトウエア開発を行い,システムの完成を目指す。
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