1991 Fiscal Year Annual Research Report
新規な有機ドナ-性分子の合成と有機高電導性錯体の開発
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02640344
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00232306)
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Keywords | 有機電導体 / 有機超伝導体 / 結晶構造解析 / 第2高周波 / 非線形光学材料 / 有機強磁性体 / C_<60> / イオンラジカル塩 |
Research Abstract |
研究課題の1.有機ドナ-分子および電導性錯体の合成をベ-スに,更に分野を2.非線形光学材料,3.有機磁性体にまで拡張して研究を行なった。1については,1分子中に多数の硫黄原子を有するTTF誘導体と,それを用いた電導性錯体の開発を行なった。この種の錯体は高温部で金属であっても,低温部で絶縁体に転移する系が多い。本研究でもその傾向が見られたが,BEDTーTTF_3Br_2とBEDTーTTFーC(CN)_3ーCuCN系が4.2Kまで金属状態を維持することを見い出した。前者については結晶構造解析を行なった。また4員環であるジチエテ同士が2重結合で結合した構造を基本骨格にもち,1分子中に6個の硫黄を有する略称BETを合成した。TTFが7π系であるのに対して,BETは5π系の新しい型のドナ-分子である。2に関しては半導体レ-ザ-の倍波発生用の2次の非線形光学材料の合成を行なった。エチレンは最小の共役系なので,この4つの水素をドナ-およびアクセプタ-置換基で置き換えた物質系は,吸収端が短波長にあり,当初の目的に有望であると考えた。一連の分子内電荷移動系の合成を行なった結果,4種類の系について青色透過性があり,宜いSHG活性であることを見い出した。またSHG活性の系については結晶構造解析を行なった。3については有機強磁性体を目指していくつかのアプロ-チから合成を行なった。ベンゼン環のメタ位に置換したカルベンの電子スピンは互いに平行であることを参考にして,ピリミジン骨格の窒素にスピン源である遷移金属イオンが配位した錯体を合成した。C_<60>のLUMOが3重に縮重しているため、LUMOに複数個の電子が入った系は高スピン状態になると考えられる。K^+ークリプタンド,あるいはK^+ー18ークラウンー6をカチオン部にもち,アニオン部がC_<60>である錯体を合成した。現在磁気的測定を行ないつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Nakano,S.Ikegawa,K.Miyawaki,K.Yamada,T.Nogami,Y.Shirota: "Synthesis of MultiーChalcogen TTFーDerivatives and Electrical Conductinities of Thein Radical Ion Salts" Synthetic Metals. 42. 2409-2412 (1991)
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[Publications] Y.Shirota,T.Nogami,N.Noma,T.Kakuta,H.Saito: "Electrochemically Doped Poly(Nーvinylcarbazole)as an Electrode Material for Rechargeable Batteries" Synthetic Metals. 41. 1169-1172 (1991)
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[Publications] 上宮 崇文,野上 隆: "新・有機非線形光学材料I" (株)シ-エムシ-, 330 (1991)