1991 Fiscal Year Annual Research Report
振動エネルギ-分布に摂動を加えた分子の反応挙動の実験的研究
Project/Area Number |
02640349
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
斉藤 昊 広島大学, 理学部, 教授 (00033853)
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Keywords | 反応速度論 / 単分子反応 / 衝撃浸管法 / 赤外線レ-ザ吸収 / 振動モ-ド励起 |
Research Abstract |
通常の熱反応に比べて分子の特定の振動モ-ドを励起した場合、反応速度にどのような効果があるのかを調べる目的で、平成2年度の研究では反応が観測されるしきい温度近くに分子に加熱し、外部からレ-ザ-光を照射して分解反応挙動を観測した。その結果、アクリロニトニルを試料として用いた場合明らかに分解反応が促進されることを確認した。これは、励起した振動モ-ドと反応座標とのカップリングが重要な役割を演じており、反応を促進するかどうかは励起する振動モ-ドに依存すると考えられる。 平成3年度は分子を単分子分解させて生じるフラグメントが局所的に振動励起されている場合を考慮した。エチルビニルエ-テル(EVE)は加熱するとアセトアルデヒドとエチレンを生じる。ここで生じたアルデヒドは分解してメチル基とホルミル基を生じる。この第2段目は反応は通常のアルデヒドの分解速度に比べて数百倍も大きいことが確かめられた。この実験結果を説明するためにEVEが分解する第一段階の遷移状態の構造およびIRCに沿う振動モ-ドを分子軌道計算により調べた。その結果、第一段階の反応でフラグメントに分離する際にアセトアルデヒドのメチル基が強い回転運動を引き起こすことが明らかになった。すなわち、アルデヒド分子の内部ではメチル基部分に特にエネルギ-が流れ込んだことになる。このために第二段階の反応でメチル基とホルミル基に容易に分かれるものと考えられる。
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[Publications] K.Saito: "Unimolecular reaction of acetaldoxime at high temperatures:Experiments and calculations" J.Phys.Chem.
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[Publications] K.Saito: "Vibrational states of the carbon monoxide produced viasuccessive unimolecular decomposition of relatively large molecules" Proc.18th Int.Symp.on Shock Waves. (1992)