1991 Fiscal Year Annual Research Report
種々のテラス・ステップ・キンク原子をもつ高指数白金表面の分光電気化学による研究
Project/Area Number |
02640357
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 真知子 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (30154868)
|
Keywords | 単結晶面 / 高指数面 / 電気化学系 / SERS分光法 / IR分光法 / 一酸化炭素 / クラスタ- / 吸着サイト |
Research Abstract |
本研究において、まずIR分光法が白金単結晶の表面構造を知る上で有益な情報を与えることを、一酸化炭素をモニタ-分子として示すことが出来た。最密填構造を持ったpt(111)面や、他の(100)面、および(100)面から少しだけ傾けて切出した(11 1 1)面、(711)面をもつ電極表面上に吸着したCOの吸着状態はその伸縮振動の振動数に敏感に反映される。電位変化に伴うIR反射吸収スペクトルに現れる強度および波数の変化より、onーtopおよびbridgeサイトに吸着したCOの挙寿を、in situで観測することが出来た。さらに高指数面を用いた実験から、テラスとステップの間の安定化エネルギ-を見積ることができ、電極電位変化に伴う強度の時間変化から、COの動的挙動を調べることでテラス、ステップの性質の相違に関する知見を得ることが出来た。双方の面上の吸着COは可逆的にサイト間移動(onーtop(〔SY.dblharw.〔)bridge)を起こすこと、そして、中間状態としてのasymmmetric bridgeサイトの存在も示すことができた。この画指数による相違により、表面に存在するステップサイト、テラスサイトの密度がサイト間移動の際に重要な役割を演じていることも判明した。 サイトの形状が重要な役割を果しているもう一つの現象にSERS効果がある。SERSに必須の原子オ-ダ-の凹凸に起因する増大機構に関する知見を得るためには、サイトの形状を明らかにすること、そして強度の励起波長依存性を測定し、ラマン散乱に関与する電子状態を見出す必要がある。そこで、まず、表面形状既知のRh(111)面にAg原子を単層電着し、表面に吸着したCOのIRスペクトルの観測により、SERS活性サイトは原子数個からなるクラスタ-であることを示すことが出来た。さらに、ミクロな凹凸に起因する強度増大が近赤外領域にまで達することから、クラスタ-の電場の寄与が存在することが示唆され、SERSの機構解明に一歩近づくことが出来た。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] M.Takahashi&M.Ito: "SERS Study of Underpotentially Deposited Bimetal Electrode System" J.Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 55/45. 913-922 (1990)
-
[Publications] S.Watanabe,Y.Kinomot,F.Kitamura,M.Takahashi&M.Ito: "An infrared study of CO adsorbed on Pt(100)and Pt(110) electrodes:Dynamic aspects of CO at reconstructed surface" J.Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 54/55. 1205-1224 (1990)
-
[Publications] A.Sasaki,M.Takahashi and M.Ito: "Structures of Lead or Cadmium Adーatom and CO Overayers on Pt(111) and Pt(100)Electrode Surtrode studied by Infrared Reflection Absorption Spectroscopy" J.Electroanal.Chem.,.
-
[Publications] S.Watanabe,M.Takahashi and M.Ito: "Coverage and Potential Induced CO Migration on Pt(11 1 1),Pt(711)and Pt(100)Electrode Surfaces Studied by Infrared Reflection Absorption Spectroscopy" Surface Science,.
-
[Publications] M.Takahashi,A.Tomura,Y.Tsuji and M.Ito: "Correlation between SERS and Atomic Scale Roughness on underpotential deposited Ag/Rh(111) Electrode Surface" Surface Science,.