1990 Fiscal Year Annual Research Report
ラングミュア-膜を用いたリオトロピック液晶の分子配列状態に関する分光学的研究
Project/Area Number |
02640366
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小林 迪夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60110730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朽津 耕三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30011456)
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Keywords | キサントン誘導体 / リオトロピック液晶 / LB膜 / Jーバンド / 分子配列 / 電子吸収スペクトル / 励起子相互作用 / クロモニック液晶 |
Research Abstract |
延伸高分子膜法により,キサントン誘導体(7ーメトキシキサントンー2ーカルボン酸ナトリウム;Iと略記)の最長波長部の強度の小さい364nm帯は分子長軸方向に,強度の最も大きい260nm帯は長軸方向に分極していること,および,偏光顕微鏡観察により,Iは水との共存により一種類のクロモニック液晶相(N相)を示すことを明らかにした。Iー水系リオトロピック液晶において,濃度を一定とし温度を下げて等方相から液晶相へ相転移させると,短軸分極の364nm帯のピ-ク位置と強度は不変だったが,長軸分極の260nm帯はブル-シフトすると共にその強度が小さくなった。励起子相互作用モデルによれば,このスペクトル変化は,液晶状態では,上下に積み重なった多数のIの分子が互いに短軸方向に短軸長の半分から短軸長分の範囲内で平行移動した分子配列となっていることを意味している。次に,水面上に形成された疎水部(オクタデシル基)と親水部(アミド基)をもつキサントン誘導体(Nーオクタデシルー7ーメトキシキサントンー2ーカルボン酸アミド;IIと略記)の単分子層をLB膜作製装置を用いて石英ガラス基板の表面に1層および20層累積させた。その際,基板の表面をステアリン酸鉄(III)で処理して疎水性にした。1層および20層累積させたLB膜の電子吸収スペクトルはよく似ており,希薄なクロロホルム溶液中におけるIIのスペクトルと比較して,次の様な著しいスペクトル変化が観測された:362nm帯(Iの364nm帯に対応する)はレッドシフトし鋭いピ-クを示すJーバンドとなった。258nm帯(Iの260nm帯に対応する)はブル-シフトし,その強度が減少しJーバンドと同程度の強度となった。このスペクトル変化は,IIの362nm帯の遷移モ-メント(分子短軸)がLB膜の単分子層内で一様に頭尾型配列していること,および,258nm帯の遷移モ-メント(分子長軸)が基板表面に対しほぼ垂直となってLB膜の単分子層内で平行配列していることを示唆している。
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