1990 Fiscal Year Annual Research Report
カルボン酸およびリン酸のけい光性・光分解性1-ピレニルメチルエステルの合成と反応
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02640409
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岩村 道子 東邦大学, 理学部, 教授 (90057597)
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Keywords | 1ー(αージアゾベンジル)ピレン / 光分解反応 / カルボン酸1ーピレニルメチル / 光誘起電子移動 / エキサイプレックス |
Research Abstract |
1)1ー(aージアゾベンジル)ピレン(DBP)によりフェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸などのエステル化を種々の条件でおこなった。いずれの場合もエステルは得られず、αー(1ーピレニル)ベンジルアルコ-ル(1)が主生成物として得られた。(1)は一旦生成したエステルが不安定なために分解して生成すると考えられるので、次にリン酸エステルの安定性についての検討をおこなった。リン酸の1ーピレニルメチルエステルは安定で単離可能であるが αー(1ーピレニル)ベンジルエステルは反応系中の微量の水によっても分解し(1)を与えることが判明した。従って、主体系中のリン酸基のDBPによるエステル化はかなりむずかしいと考えられる。 2)ホリヒドロキシカルボン酸、ウロン酸などとDBPとの反応では目的とするエステル以外に数多くの副生成物がみられ、反応、単離条件の最適化をおこなうには至らなかった。水酸基1個のwーヒドロキシカルボン酸ではエステル化は高収率でおこり、メタノ-ル中での光分解でも水酸基の関与はなくカルボン酸が回収されることが確かめられた。 3)カルボン酸1ーピレニルメチルの光分解反応について量子収率の決定、反応機構の詳しい検討をおこない、1ーピレニルメチル基側の電子吸引性置換基によりこのエステルに一般的な開製形式以外にエステルCー0結合の開裂も起こり易くなることが新に見出された。 4)カルボン酸wー(1ピレニル)アルキルの分子内光誘起電子移動について詳細に研究し、分子内エキサイプレックスを形成する系について、生成、活性化エネルギ-,速度定数などを決定した。
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Research Products
(1 results)