1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640425
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宗貞 清貴 広島大学, 理学部, 助手 (30166235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 俊輔 広島大学, 理学部, 助手 (90203116)
平田 敏文 広島大学, 理学部, 教授 (80033926)
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Keywords | 両生類 / 脳組織 / 糖脂質 / ウシガエル / ガングリオシド / セレブロシド / 絶対構造 |
Research Abstract |
1.脳ガングリオシドーウシガエル(Rana catesbeiana)の脳組織より、3種の微量ガングリオシド(1)〜(3)を単離した。新規モノシアロガングリオシド(1)は、その(-)ーFABーMSおよび ^1H NMRスペクトル並びに1の完全メチル化誘導体の(+)ーSIMSスペクトルにより、構造式1と決定された。一方、ガングリオシド(2)と(3)は、標品のスペクトルとの比較により、G_<D1a>およびG_<T1a>とそれぞれ同定された。モノシアロガングリオシド(1)は、同種のカエルの脳組織中に存在する3種の主成分ガングリオシドにみられたと同様に、αーNeuAcー(2→6)ー0ーGalNAcという部分構造を持っていた。この様な構造は、他の動物種の脳ガングリオシドにはみられない、カエルに特有の構造である。 2.脳セレブロシドーウシガエルの脳組織より、12種のセレブロシドを単離した。これらは、いずれもβーDーGalactopyranosyl ceramideであった。セラミド部分の絶対構造を、主にCDスペクトルと1,2ーdibenzoate chirality法の適用により解明した。セラミドを構成する脂肪酸と長鎖塩基のうち、脂肪酸は(2R)ー2ーhydroxy fatty acidであることを決定した。一方、長鎖塩基は、(2S,3R,4E)ー2ーaminooctadecー4ーenー1,3ーdiolと(2S,3R)ー2ーaminooctadecaneー1,3ーdiolと決定された。カエルの脳セレブロシドの絶対構造を決定したのは、これが最初である。
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Research Products
(1 results)