1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640433
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡会 仁 秋田大学, 教育学部, 教授 (30091771)
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Keywords | 溶媒抽出 / 界面反応 / キレ-ト抽出速度 / 協同抽出速度 |
Research Abstract |
キレ-ト抽出系および協同抽出系における界面反応について,以下の知見を得た。 1.2'ーヒドロキシー5'ーノニルベンゾフェノンオキシムによる銅(II)およびニッケル(II)イオンの抽出速度の律速段階は,液液界面における試薬の解離型と金属イオンの1:1錯体の生成反応であることを,試薬の界面吸着量と抽出初速度との一次の比例関係から明らかにした。また,ヘプタンを有機溶媒としたときの方が,クロロホルムを用いたときより抽出速度が大きいのは,試薬の界面吸着定数と界面錯生成速度定数が共に二桁大きいことに起因することを明らかにした。 2.溶媒抽出速度の測定にフォトダイオ-ドアレイ分光光度法を導入し,二相攪拌時における有機相スペクトルの連続測定を可能にした。この方法により,有機相化学種濃度の時間変化だけでなく,界面吸着化学種の存在と,その濃度変化の測定が可能となった。 3.上記の方法を,ジチゾンと1,10ーフェナントロリンによるニッケル(II)の協同抽出速度の測定に適用した。その結果,1,10ーフェナントロリンがジチゾンより薄い場合は,界面吸着化学種を生じないが,ジチゾンより濃い場合は,ニッケル(II)ージチゾンー1,10ーフェナントロリンの三元錯体が,抽出反応の中間体として,界面において生成されることが見い出された。 4.攪拌液液分散系の直接吸光光度測定を可能とするセルが試作され,界面化学種のスペクトルの測定条件が検討された。この方法により,上記協同抽出系の界面化学種のスペクトルは,抽出化学種に類似したものであることが示唆された。
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