1990 Fiscal Year Annual Research Report
高性能キャピラリ-電気泳動および高速液体クロマトグラフィ-による炭素同位の分離
Project/Area Number |
02640447
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60127165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 長男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70028124)
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Keywords | 同位体分離 / イオン化制御法 / 液体クロマトグラフィ- / キャピラリ-電気泳動 |
Research Abstract |
高性能キャピラリ-電気泳動ならびに高速液体クロマトグラフィ-を用いて、イオン化制御法による窒素,酸素ならびに炭素同位体の分離を検討した。逆相クロマトグラフィ-用充填剤については、シリカゲルーC18充填剤を3官能性および1官能性シリル化剤から合成し、前者が後者より良いカラム性能を与えること、ならびにイオンと比較して中性分子に対して大きな保持を与えてより大きな同位体分離係数を与えることを見出した。またポリマ-ゲル充填剤は非常に大きなイオン/中性分子選択性に基づいて大きな同位体分離係数を与え、その理論段数がシリカゲル系充填剤の約30%であるにもかかわらず同位体の分離を可能とした。これにより、シリカゲル充填剤では不可能な高いpKaをもつアミン,アミド類についての窒素同位体分離が達成された。以上のように最適化されたカラム充填剤とポンプリサイクル法を用いた場合、従来の約2分の1の時間で酸素( ^<16>O, ^<18>O)および窒素( ^<14>N, ^<15>N)同位体の分離が可能であった。またpKaが約5および10である解離する炭素ー水素結合をもつフェニルマロニトリルとベンゾイルアセトフェノンを合成し、pHーK曲線からこれらの化合物についても同位体分離の可能性の存在を示することができた。 キャピラリ-電気泳動においては、緩衝溶液に添加剤を加えることにより電気浸透流を制御することを可能とし、わずか10ー30分間で酸素および窒素同位体の分離を達成した。さらにシリカキャピラリ-の内表面の化学修飾により電気浸透流の小さなキャピラリ-の製作に成功し、再現性の良い同位体分離が達成された。引き続き炭素同位体分離を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田中 信男: "TEM study on the pore structures of wideーpore silica and polymergels." J.High Resolution Chromatography.
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[Publications] 田中 信男: "Isotope separation by the ionization control method." J.Nuclear Science and Technology.