1991 Fiscal Year Annual Research Report
コンプレキサンによる水汚濁機構とその制御に関する研究
Project/Area Number |
02640449
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村本 茂樹 岡山大学, 資源生物科伸研究所, 助教授 (50033121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60033122)
青山 勲 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (10026239)
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Keywords | 水圏生態系 / 界面活性剤 / 水質汚濁 / 金属毒性 / 水生動植物 / 環境浄化 / 微生物分解 |
Research Abstract |
人工コンプレキサンの水圏生態系における運命と水汚濁並びに動植物への影響の研究を目的としている。昨年はコンプレキサンの1種である洗剤等の含有される海面活性剤(Sodium lauryl sulfate,SLS)を指標物質として、河川水中の挙動、湖水中の季節変動、農業排水中の変動等を検討した。本年EDTA存在下における水中Feの化学形の違い(Fe(II)、Fe(III))が藻類のFe吸収の差異に及ぼす影響のを検討を行ない、興味ある結果を得つつある。EDTAとFe(II)の共存下で顕著に藻類の増殖が促進され、Feのみでは増殖が低下する結果を得た、一方、EDTA、NTA等の共存下におけるカドミウムなどの毒性金属の魚に対する毒性を検討した結果、Cd、Cu、Pb、Znにつてはコンプレキサンの存在により毒性緩和が確認されたが、A1については逆の現象が生じ、金属コンプレキサンの形成が金属毒性の変化に及ぼす影響の検討を進める計画である。また、自熱水域におけるコンプレキサンの分解と底泥微生物の影響評価のために、多くの排水中のから分解菌を採取し、分離を行なっているが、培地の酸化還元状態によって増殖の高原状態が発生易いために、種々の検討を行なっている。EDTAの光分解が知られているがいくつかの検討結果では光分解は認められない結果を得た。 一方、水生植物のホテイアオイを用いて栽培実験を行ない、塩分含有水中でEDTAの存在下における植物体中の根部、地上部の金属組成の変化に対するEDTAの影響の検討を行なっている。キレ-ト物質の存在により、植物体中の含有量分布が変化する傾向がみられた金属はFe、Pであった。以上の研究の不足分について、補完の研究を現在おこなっている。
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[Publications] S.Muramoto,I.Aoyama: "Variation of aninic surfactant concentration in water of estuary lake and influent rivers." J.Environ.Sci.Health. 28. (1992)
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[Publications] S.Muramoto,I.Aoyama,S.Nakashima: "Effect of some complexing agents on the change of heavy metal contents of water hyacinth treated with EDTA in salinity water." Bull.Environ.Cont.Toxicol.55. (1993)