1990 Fiscal Year Annual Research Report
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02640450
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田頭 昭二 山口大学, 理学部, 講師 (70091197)
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Keywords | ストップドフロ-法 / トリトンXー100ミセル / 1ーニトロソー2ーナフト-ル / 界面活性剤溶液 / 8ーキノリノ-ル |
Research Abstract |
界面活性剤として非イオン性のトリトンXー100を用い,次の4つの系について検討した. 1)1ーニトロソー2ーナフト-ルを用いる鉄(II)の迅速吸光光度定量 トリトンXー100溶液中で1ーニトロソー2ーナフト-ルは鉄(II)と反応して,安定な緑色錯体を生成する.この現象を利用した天然水中の鉄の定量を行った.(Bulletin of the college of Ube,印刷中) 2)銅(II)ージアルキルヂチオカルバミン酸錯体生成を利用した二級アミンの異性体の分離分析 二硫化炭素とアミンの界面活性剤溶液中での反応速度は,アミンの種類により大きく異なる.また,この反応は,銅錯体の黄色を利用することにより,メチルアミンの様な一級アミン及びトリメチルアミンのような3級アミンの妨害が防げる.これらの反応速度差を利用したイソプロピルアミンとノルマルプロピルアミンの速度論的分離定量を行った.(Anal.chim.Acta,印刷中) 3)オキシン誘導体を用いるコバルト(II)及びニッケル(II)の同時定量. 8ーキノリノ-ル及び5ーアルキルオキシメチルー8ーキノリノ-ル(アルキル=メチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル)の水相ーミセル相間の分配定数を溶解度測定から求めた.また,これらの配位子とコバルト(II)およびニッケル(II)の錯生成速度をストップトフロ-法により求めた.トリトンXー100溶液中では,見かけの反応速度は,配位子の分配定数に依存しており,全ての配位子において反応速度定数は一定であった.この現象を利用したニッケル(II)及びコバルト(II)の同時定量をおこなった.(Anal.Chem.,投稿中) 4)5ーオクチルオキシメチルー8ーキノリノ-ルを用いるマグネシウム(II)の蛍光ストプトフロ-分析 多くのアルカリ土類金属の8ーキノリノ-ル(オキシン)錯体は蛍光を示すが,この蛍光は水溶液中では消光する.そのため,溶媒抽出法と組み合わした分析法が古くから用いられている.マグネシウム(II)はトリトンXー100ミセルが存在すると5ーオクチルオキシメチルー8ーキノリノ-ルと反応して水溶液中でも,強い蛍光を示すことをみつけた.この現象を利用した微量マグネシウム(II)の分析について検討中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Hayashi: "Spectrophotometric determination of iron(II) with 1ーnitorosoー2ーnaphthol and nonionic surfactant." Bulletin of the College of Ube.
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[Publications] S.Tagashira: "Simultaneous kinetic determination of secondary amines and their isomers by a spectrophotometric stoppedーflow method based on the formation of dialkyldithiocarbamates." Anal.Chim.Acta.
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[Publications] S.Tagashira: "Micellar effect on the formation of nickel(II) and cobalt(II) complexes with 8ーquinolinol and its 5ーalkyloxymethylー8ーquinolinol derivatives and an application to simultaneous determination of these metals in the nonionic surfactant micellar system." Anal.Chem.