電導性多孔質カラムを用いる電気化学的イオンクロマトグラフィの開発

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02640451
• Research Institution: Yamaguchi University
• Principal Investigator: 長岡 勉 山口大学, 工学部, 助教授 (00172510)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小倉 興太郎 山口大学, 工学部, 助教授 (40035077)
• Keywords: イオンクロマトグラフィ- / イオノフォア / イオン分離 / 電気分析

Research Abstract

この方法では,申請者らの開発した多孔質グラッシ-カ-ボンを分離電極カラムとして用い,細孔内へのイオン補そくおよび溶出をカラム電位により制御する.この方法において,イオンの補そく,溶出は,酸化還元過程ではなく電場による補そく溶出であるので,本法は電気化学的不活性イオンに対しても適用が可能であるという特長を有している.
平成2年度の研究により,アルカリ金属とアルカリ土類金属は分離して溶離されることが確認されたので,3年度の計画としては,カラムの分離機能の向上をめざし,さらにシステム全体としての高性能化をはかった.
(1)カラム分離能の向上
これまでカラム材料としてグラッシ-カ-ボンの粒状のものを用いているが,この粒径を小さくかつ均一にし,分離能の向上をはかった.これらの改良により,これまで完全に分離できなかったアルカリ金属間の分離が可能になった.またアルカリ金属イオンの分離度をカラム電位を調節することにより制御することが可能となった。
また,イオン移動ボルタモメトリの知識を応用して,カ-ボン表面をジベンゾクラウンなどのイオノフォアを含む油層で修飾を行ったが,この結果さらに分離能が向上した.
(2)分析モ-ドの多様化
この方法の特色は,分離定量のためのパラメ-タとしてカラムの電位が制御できる点にある.現在までの研究により,カラムの電位を比較的大きく負にすることにより,カラムに強く吸着されるイオンは,ほとんど溶離しなくなることが分かった.このことを利用して,特異的な分離が可能が可能になった.

Research Products

• [Publications] 長岡 勉: "カラム充てん剤として多孔貭炭素粒子を用いる電気化学的イオンクロマトグラフィ-の開発" 分析化学. 40. 785-789 (1991)
• [Publications] 長岡 勉: "Electrochemical Ion Chromatography using a Porous Electrode Column." J.Electroanal.Chem.(1992)
• [Publications] 長岡 勉: "Simple Potentiometric Ion Sensor using Pretreated glassy Carbon" Anal.Chem.