1990 Fiscal Year Annual Research Report
大気中の気体状および超微細粒子状金属化合物に関する研究
Project/Area Number |
02640460
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
平木 敬三 近畿大学, 理工学部, 教授 (70088368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中口 譲 近畿大学, 理工学部, 助手 (30188916)
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Keywords | 大気試料 / 液化捕集 / 必須元素 / インキュベ-ション / 揮発性金属化合物 |
Research Abstract |
1.大気試料の捕集法の検討 基本的には大気試料を液化捕集することとし、液体窒素を冷媒とし、その中にガラス管を設置し試料を液化捕集した。大気試料の捕集管への導入は、捕集管内での液化凝縮による減圧により行なわれる。この際、試料中の水蒸気が導入部分で氷結し流入を妨げるので、あらかじめ、氷ー塩化ナトリウム水溶液中にコンデンサ-を沈め取り除くことにした。この捕集装置により100リットル前後の試料を5〜6時間で捕集できた。液化試料は再気化させ濃硝酸に吸収させ、原子吸光法により鉛、コバルト、銅、マンガン、モリブデンなどを定量した。しかし、この方法によりさらに多量の試料を捕集することは難しいので、窒素、酸素など主要成分と目的成分を分離濃縮捕集する検討を合せて行なった。液体窒素中に捕集管の先端部分だけを浸し、その後部に吸引用に捕集管の上端部まで液体窒素に沈めその部分に酸素、窒素などの低沸点物質を液化捕集し、その際の体積減少により試料を吸引させる。高沸点の目的成分はこの方法で効率的に捕集できた。その際の液化捕集条件を詳細に検討した結果、捕集効率の低下は多量の試料捕集により、液化されない成分が徐々に集積され、吸引管内の圧を高めることによることが明らかになった。しかし、1〜2m^3の試料から目的成分を捕集定量することを可能とした。 2.揮発性金属化合物の起源の解明 大気試料の捕集実験の実施中、河川などの表面から目的成分が多量に見出されたり、大気中の目的成分中、セレン、銅、コバルトなど生体必須成分が著しい季節変動を示すことから、河川底質中などの微生物によるものと考え、インキュベ-ション中の揮発性物質の分析を行ない、興味ある結果を得た。これらの成果は本年度の分析化学討論会及び北京で開催される第4回Asian Chemical Congressにて発表する。
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