1990 Fiscal Year Annual Research Report
1987年直撃台風で生じた対馬・龍良山原生林の林冠ギャップの復元初期相の研究
Project/Area Number |
02640513
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊藤 秀三 長崎大学, 教養部, 教授 (20039762)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 進一 岡山大学, 農学部, 助教授 (60191409)
中西 こずえ 長崎大学, 教養部, 助手 (30100895)
|
Keywords | イスノキ / 永久方形区 / ギャップ / 指標種 / スダジイ / 龍良山 |
Research Abstract |
対馬・龍良山のスダジイ・イスノキ林において、4ha(1辺200m)の方形区の調査から下記の結果を得た。 1)5m四方のメッシュ総数1600個のうちギャップは274個で、2)その個々のギヤップの大きさは5〜20mであった。3)ギヤップ部位は5mメッシュの単位で地図化した。4)その結果、森林面積に対するギャップ面積の比は17.1%であることが判明した。5)4ha方形区内の胸高直径5cm以上のすべての樹木について(シイ・カシ類については樹高1.3m以上、胸高直径5cm以下含む)、樹種名・胸高直径・位置・生死を測定記録、胸高直径5cm以上の総個体数4754本(枯死木284本含む)のうちイスノキが36.8%を占めた。また相対胸高断面積ではスダジイ39.7%、イスノキ32.5%であった。類似度は海抜高度に従って93%から28%に低下し、多様度は緩やかに低下した。6)胸高直径分布では、スダジイは二山型、イスノキ、ヤブツナキ、サカキは逆J字型、ウラジロガシは正規型を示した。また空間分布においては、スダジイ、ウラジロガシ、タブノキでは、方形区サイズの増加に伴い集中分布からランダム分布に近付き、イスノキ、ヤブツバキではすべての枠サイズでランダ分布に近い集中分布であった。7)ギヤップを指標種としては、木本:アカメガシワ、イイギリ、カジノキ、カラスザンショウ、サルナシ、こけ植物:ハイゴケ、ヒロハツヤゴケが明らかとなった。7)4ha永久方形区においては、枠内の胸高直径5cm以上の総ての生立木、枯死立木の位置、種名、胸高直径を記録し、生立木については個々の樹木の生長、枯死が追跡できるよう、将来の調査に備えた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Syuzo ITOW: "Similarity and diversity patterns in an evergreen broadーleaved CastanopsisーQuercus coenocline in Tsushima,Japan." Journal of Vegetation Science.
-
[Publications] Shin'lchi YAMAMOTO: "Gap dynamics in primary evergreen broadーleaved forests of western Japan." Botanical Magazine,Tokyo.