1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640516
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福永 典之 北海道大学, 理学部, 助教授 (30113616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 泰弘 北海道大学, 理学部, 講師 (10163213)
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Keywords | 不飽和脂肪酸合成 / 耐冷菌 / 嫌気・好気経路の共存 / 不飽和脂肪酸要求変異株 / 脂肪酸不飽化酵素 |
Research Abstract |
前年度分離した耐冷菌Pseudomonas Eー3株の不飽和脂肪酸要求変異株について、以下の事柄を明らかにした。 1.変異株リン脂質の脂肪酸の中には、培養時に与えた不飽和脂肪酸が大量に取込まれ、野性株に本来存在しているシス-バクセン酸の量は極端に減少した。これに対して、野性株リン肪質脂肪酸組成は、培養時に与えた不飽和脂肪酸にそれ程大きな影響を受けなかった。 2.In vitro脂肪酸合成酵素によるアセチルCoーAとマロニルCoAから合成された脂肪酸組成は、変異株、野性株で大きな相違はなく、同程度の飽和・不飽和脂肪酸が合成された。この結果は、嫌気経路の活性は両菌株でほヾ同じと結論された。 3.好気経路の脂肪酸不飽和化酵素の活性は、変異株で著しく低下していた。野性株の不飽和化酵素の活性は、培養時に飽和脂肪酸を添加すると上昇したが、変異株ではこのような現象は観察されなかった。 4.嫌気経路の阻害剤3ーデシノイル-N-アセチルシステアミンによる生長阻害は、変異株に強く現われた。 以上の結果、変異株の表現型は、好気経路の脂肪酸不飽和化酵素系の障害に基くものであり、野性株では嫌気・好気両経路が機能していることにより、不飽和脂肪酸が充分に合成されていると結論した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Wada,M.,Fukunaga,N.,&Sasaki,S.,: "Aerobic synthesis of unsaturated fatty acids in a psychrotrophic bacterium,Pseudomonas sp.Strain Eー3,having two mechanisms for unsaturated fatty acid." J.Gen.Appl.Microbiol.,. 37. 355-362 (1991)
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[Publications] Takada,Y.,Fukunaga,N.,&Sasaki,S.,: "Modification of membrane lipids of a psychrophilic marine bacterium,Vibrio sp.strain ABEー1 and its effect on the respirationーdependent H^+ and Na^+ pumps." J.Fac.Sci.Hokkaido Univ.,Series V,. 15. 1-13 (1991)