1991 Fiscal Year Annual Research Report
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02640540
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Research Institution | Kobe Unietsity |
Principal Investigator |
渡辺 邦秋 神戸大学, 教養部, 教授 (80031376)
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Keywords | 葉緑体DNA / 分子系統樹 / 染色体進化 / 少数染色体数 / 種間交雑 / キク科 / ブラキスコ-ム属 / 砂漠植物 |
Research Abstract |
ブラキスコ-ム属29種および種複成体145集団の染色体数を算定した。6種で初めての染色体数を、2種で新しい細胞型を、2種で新たにB染色体を報告した。体細胞分裂中期の核型を30分類群で、前中期の核型を25分類群で分析した。半数染色体全長で、2倍の違いがある2群を識別できる。それぞれが単系統であるか否かは、今後の検討課題である。この2群間では、染色体サイズが2倍も異なるにもかかわらず、容易にF_1雑種が得られる。この雑種では染色体凝縮が非同調的で、一方の親から由来した大型染色体は、全長に渡って早期凝縮がおきた。染色体凝縮のパタ-ンが異なる雑種でも、組合せによっては、高いゲノム間の親和性を示した。2群のそれぞれについて、染色体数はn=9から2まで変化しているにもかかわらず、半数染色体全長は一定で、ほとんど変化はみられなかった。核型の異同に基づいて、いくつかの分類群の整理が可能であった。染色体の腕比の変化は、本属の進化傾向と特別な関係を見い出せなかった。葉緑体DNAのRFLP解析は、19分類群を12種類の制限酵素で切断し、アガロ-ス電気泳動法により、DNA断片長変異のデ-タを得た。17個の共有派生的突然変異を検出し、ノコンギク属を外群として最大節約法で系統樹を作成した。半数染色体異数系列の中で、n=3が4より由来した例を除き、むしろn=5、6、9(一部)の染色体数はn=4から由来したことが示唆された。これらのデ-タは、1)ブラキスコ-ム属ではn=9から急激にn=4までの減少がおこり、減少過程の分類群は絶滅している。2)n=4レベルで、多数の種を分化させる二次的種分化がおきた。3)現存するn=5、6、7、8、9(一部)をもつ種は、染色体数が増加する過程で生じた可能性が高い.等を示唆しており、本属の染色体進化が予想をこえて、はるかにダイナミックにおきて、いることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 渡辺 邦秋: "オ-ストラリア被子植物相の起原と進化" プランタ. 13. 18-30 (1991)
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[Publications] Watanabe,Kuniaki: "Chromosome number delerminations in Brachyscome Cass.(Asteraceae:Astereae)with comments on Species delimitation,relationships and cytogeography" Muellerie. 7. (1991)
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[Publications] Watanabe,Kuniaki: "The cytology of Brachscome Cass.(Asteraceae:Astereae).11 Hybridisation between Brachyscome goniocarpa Sond.dF.muell.exsond (n=4)and B.dichromosometica C.R.Carter(n=2)." Australian Journal of Botany. 39. (1991)
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[Publications] Watanabe,Kuniaki: "Numerial analyses of baryotypic in the genus Eupatorium (Compositae,Eupatorieae)" Plant Systematics and Evolution. 170. 215-228 (1990)
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[Publications] Yahara,Tetsukazu: "Very low genetic heterozygosity in sexual and agamospermous populations of Eupatorium altissimum(Asteraceae)" American Journal of Botany. 78. 706-710 (1991)
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[Publications] 河野 昭一 監修,田中 肇 編集,渡辺 邦秋 著: "Field Watching 第2巻秋の野山を歩く" 北隆館, 112 (1992)