1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640553
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
臼杵 格 新潟大学, 教養部, 教授 (90018242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 清志 靜岡大学, 理学部, 助手 (50201827)
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Keywords | ゾウリムシ / ヘモグロビン / ゲノムDNA / 一次構造 / 塩基配列 / イントロン |
Research Abstract |
從来、植物のヘモグロビン遺伝子にはイントロンが3個所に存在するが、脊椎動物では2個所にしかなく無脊椎動物ではそれを全く欠くか、または2個所に有ることが報告されて来た。このことから、動物では植物の第2イントロンに相当するものは系統進化の極く初期に消失してしまった、と考えられるようになった。ところが、我々によるこの研究によってゾウリムシParamecium caudatumのゲノムDNAに存在するヘモグロビン主成分遺伝子の飜訳領域のほヾ中央に23塩基対からなる極めて短いイントロンが一個存在することが明らかになった。種々の角度から検討した結果、このイントロンは植物の第2イントロンに相当するものであって植物のヘモグロビン遺伝子では初めての例になること、および今までに報告された全てのイントロンの中で最も小さいこと、などが明らかになり、ゾウリムシの系統進化上の重要性が改めて確められた。 前年度の研究で、P.caudatumのヘモグロビン主成分にはA.Bの2型が存在すること、およびA型成分を指令する遺伝子の全塩基配列を解明した。残るB型成分の一次構造の解析は現析は現在進行中であるが近日中に終了する見込みである。 ゾウリムシのヘモグロビンは一般に5〜8成分からなる夛成分系であって、細胞の増殖過程および培養温度により構成成分の量的割合が変化する。從って、各成分の構造と機能を解明すると共に、これらの成分の発現を指令する遺伝子の調節機構を知ることが今後の重要な研究課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Usuki,I.and Hino,A.: "Chomges in relative concentrations of the hemoglobin components in Paramecium caused by cell growth and temperature of the culture." Journal of Cell Science. 100(Nov.). 635-639 (1991)
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[Publications] Yamauchi,K.,Ochiai,T.and Usuki,I.: "Nucleotide sequence of the cDNA for the major hemoglobin component from Paramecium caudatum." Biochemica Biophysica Research Commumication. (1992)
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[Publications] Hirai,I.,Usuki,I.and Ochiai,T.: "Interーand intrasyngenic variations of the hemoglobin components in Paramecium caudatum."
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[Publications] Yamauchi,K.,Ochiai,T.and Usuki,I.: "A unique structure of the Paramecium caudatum hemoglobin gene:the presence of one intron corresponding to the second intron found in plant hemoglobin genes."