1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640563
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
惣川 まりな 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (60047199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 洋之 大阪市立大学, 理学部, 助手 (20169577)
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Keywords | 無脊椎動物 / 食細胞 / マクロファ-ジ / 自己ー非自己認識 / 多核体形成 |
Research Abstract |
1、無脊椎動物の体腔液中に存在するマクロファ-ジ系細胞を、培養下に移して、その異物攻撃の動態をヴィデオを用いて観察した結果、(1)ホヤ以外の動物では、異種マクロファ-ジ系細胞に対して、明確な認識や、激しい攻撃はみられず、培養皿中に長く共存した。(2)ホヤにおいては、最初の細胞が侵入者に遭遇する否や、激しい攻撃が開始された。(3)このとき、周囲の細胞が、侵入者に対して直線的に接近することから、液性因子の関与が示唆される。 2、マクロファ-ジ系細胞の原形質膜の解析手段として、次の三つの方法で原形質膜を処理し、それぞれ抗原として、モノクロ-ナル抗体を作製した。(1)細胞全体を可溶化する、(2)膜断片から高イオン強度条件で遊離してくるタンパク質を用いる、(3)膜を単離し、これを直接抗原として用いる。その結果、マクロファ-ジ系細胞の原形質膜を認識したり、細胞の伸展や融合に作用をもつ抗体が、5〜6種類採れてきた。 3.マクロファ-ジ系細胞の多核体形成のメカニズムに関して、透過型電子顕微鏡で解析した結果、以下の知見を得た。(1)細胞内に取り込めるような小さな異物は、マクロファ-ジ系細胞の融合を促進しない。(2)直径100μmのビ-ズなど、細胞が取り込めないような大きな異物は、この細胞の融合を誘発する。(3)細胞集塊を形成させるだけでは融合は起こらないが、この集塊を培養皿上に伸展させると、融合が著しく促進される。(4)伸展する細胞集塊の中では、細胞同士が互いの膜上を滑り合っていると考えられるが、このときの膜の緊密な接着が、融合過程に何らかのきっかけを与えると考えられる
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kaneko,S.Takaichi,M.Yamamoto, M.DanーSohkawa: "Acellularty of starfish embryonic mesenchyme cells as shown in vitro." Development.109. 129-138 (1990)
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[Publications] M.DanーSohkawa: "Videoーmicroscopic analysis of the coelomocytes of Halocynthia roretzi (abstract)" Zoological Science. 7. 1163 (1990)
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[Publications] S.Towa H.Kaneko M.DanーSohkawa: "An ultrastructural study of phagocyte・fusion in starfish.(abstract)" Zoological Science. 7. 1163 (1990)
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[Publications] M.DanーSohkawa,J.Suzuki,S.Towa, H.Kaneko: "Biology of Echinodermata." Balkem.(Lotterdam), (1991)