1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640571
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
西駕 秀俊 産業医科大学, 医学部, 講師 (60131918)
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Keywords | ホヤ / 初期発生 / 遺伝子 / マイクロインジェクション / アクチン |
Research Abstract |
この研究計画は実験材料のマボヤ胚が冬季しか得られないため2年継続の形を取っている。今年度の研究計画の進捗状況は以下の通りである。 1.マボヤ胚で時期特異的、非特異的に発現するβーアクチン様遺伝子の単離 マボヤ胚の初期発生過程でのNorthern blot解析から、ニワトリβーアクチン遺伝子とクロスハイブリダイズするmRNAが4種ある事、およびそれらの発現パタ-ンを明らかにした。その中で8.16ー64細胞期に胚で初めて出現し初期発生の間発現が維持される遺伝子と恒常的に発現しているβーアクチン様遺伝子に着目し以後の研究に用いることにした。これらの遺伝子を単離するために64細胞期のcDNAライブラリ-を作成し、cDNAクロ-ンを十数個単離した。現在それらの分別に取りかっている。次年度にそれらの5'上流域を含むゲノムDNA断片を単離しCAT遺伝子等との融合遺伝子を作製する予定である。 2.マボヤ胚へのマイクロインジェクション 当初の計画通り、マイクロマニュピュレ-タ-、インジェクタ-、研磨器等を購入し、ホヤ搬入を行い、今冬からホヤ胚を発生させてみた。実際に、実験室で成体マボヤを数カ月の期間維持することが出来、正常な胚発生を行わせることが出来た。マイクロインジェクションの予試験として、末受精卵から2細胞期のいくつかの発生段階のマボヤ胚に数種の方法でマイクロインジェクションを試みた。現在のところ、卵膜を残した状態で微小ガラス管を刺入し緩衝液などを導入、少なくとも後期尾芽胚までは50%程度の割合で正常に発生させることができている。次年度ではこの技術を確立させ、上記の融合遺伝子DNAあるいは抗体等の導入実験を試みたい。
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