1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640579
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 武二 東京大学, 教養学部, 教授 (90012335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堂前 雅史 東京大学, 教養学部, 助手 (30207683)
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Keywords | マウス / ヤマネ / ヒメネズミ / 齧歯類 / 性誘引物質 / 父性行動 / 貯食行動 / 冬眠 |
Research Abstract |
1.雄マウスの性誘引因子 尿中に存在する有効因子の内、包皮線分泌物に関しては、分泌後に化学変化を受けて生じる物質が有効であるらしいことは既に発表したが、今回、揮発性成分をガスクロ・ガスマスによって詳細に分析・同定した結果、分泌後の変化によって50種以上の物質が新たに生じることが確認された。この中には哺乳類での存在がこれまで知られていなかった物質も含まれている。雌誘引活性がどの成分に存在するかを検討中である。 2.休止期(明期)における雌マウスの性的反応 (1)雌マウスが休止期に高頻度でハドリング行動(互いに体を接触させる行動)を示すことを定量的に示した。(2)休止期における、雄の匂いへの反応には、他の雌個体の存在と、自身の交尾経験とが必要であることが判明した。これは活動期(暗期)の反応とは大きく異なっていて興味深い。 3.雄マウスの父性行動 雄マウスの育児行動の解発要因として交尾経験が重要であることは既に報告したが、それ以外の要因(雌との同居、出産への立ち会い、新生児への接触等)の効果に付いて解析中である。 4.ヤマネ低体温誘発要因 ヤマネは夏期でも低温に曝すと体温を下げるが、この反応には直前の摂食量が大きく影響する事が分かった。 5.ヒメネズミの貯食行動 貯食行動を顕著に示す本種を用いて、貯蔵場所を記憶する能力がどの程度あるかを実験的に解析しつつある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kyoko Ninomiya: "Femaleーattracting property of urinary compounds in male mice:stereospecificity and interaction with other factors." Naturwissenschaften. 77. 586-588 (1990)
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[Publications] Kyoko Ninomiya: "(E,E)ーalphaーfarnesene and (E)ーbetaーfarnesene of the preputial glands of mice."