1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640581
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助手 (40162028)
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Keywords | エイジング / アルドステロン / 血漿レニン活性 / カルシウム代謝 / 骨粗鬆症 / 大腿骨 / カルシトニン / 性ホルモン |
Research Abstract |
Wistar/Tw系ラットは、雄では16月齢頃、雌では20月齢頃より多飲多尿となる。これまでの検討から本系統は生体のホメオスタシス維持に重要な水・電解質代謝及び腎機能に関して老化促進動物と考えられた。本研究ではこの亜系統ラットを用いて、エイジングにともなう腎臓及びそれと関連した内分泌系の変化を解明することを目的とした。本年度は1.賢臓機能に関連する血中アルドステロン値の加齢にともなう低下を見いだした。さらに、血漿レニン活性が約10分の1に低下していた。これは賢臓の病理変化にともなうレニン合成分泌の低下が原因で、その結果血漿レニン活性が低下し、さらにその結果アルドステロン値が低下したと考えられた。すでにエイジングにともなう血中バソプレッシンの上昇を、また昨年度にはこの多尿ラットでは血中心房性ナトリウム利尿ペプチドが変化しないことをみており、水・電解質代謝関連ホルモンの変化の実態が明らかになった。2.加齢雌ラットで尿中カルシウム一日排泄量が増加することを昨年度見いだしたのでその意義について検討した。ソフテックスで撮影したX線写真で加齢にともなう明らかなカルシウムの減少が観察され、実際大腿骨の乾燥重量の低下やカルシウム含有量の有意な減少が観察された。また尾椎骨の乾燥重量の低下や力学的骨強度の有意な低下が見られた。これらの変化は臨床的には老齢者に見られる骨粗鬆症や骨軟化症のモデル動物になりうる変化と考えられた。3.カルシウム代謝に関与する内分泌系であるカルシトニン濃度は多尿ラットで有意な変化は認められず、カルシウム代謝変化の機構については今後さらに検討が必要である。4.腎臓の機能と性ホルモンとの関連について検討し、腎臓の形態が性ステロイドにより変化することを見いだした。カルシウム代謝変化に関しても雌雄差見られ、さらに詳細な検討が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yano Shuichi: "Effect of deabetes mellitus on levels of atrial natriuretic hormone in plasma and the right atrium in the nonーobese diabetic mouse." Acta Endocrinol.(Copenh). 124. 595-601 (1991)
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[Publications] Kobayashi Yuta: "Lーnitroarginine increases blood pressure in the rat." Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.18. 397-399 (1991)
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[Publications] 小林 裕太: "Wistar/Tw系雌ラットの加齢にともなう骨変化II.尾椎骨の変化" 基礎老化研究. 15. 174-175 (1991)
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[Publications] Kobayashi Yuta: "Comparison of vasopressor effects of nitroarginine in strokeーprone spontaneously hypertensive rats and Wistar Kyoto rats" Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.18. 599-604 (1991)
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[Publications] Mifune Hiroharu: "Atrial natriuretic peptide(ANP):a study of ANP and its mRNA in cardiocytes,and of plasma ANP levels in nonーobese diabetic mice." Cell Tissue.Res.267. 267-272 (1992)
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[Publications] Yamauchi Masanobu: "Endotheliumーdependent and independent relaxation by dopamine in the rabbit pulmonary artery." Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.