1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640594
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
植村 武 新潟大学, 理学部, 教授 (90018250)
|
Keywords | 変形系列 / 変形小構造 / 変形相 / 長瀞変成岩類 |
Research Abstract |
長瀞成岩類の変形構造,とくに小構造及び微構造の時間系列を明らかにすることができた。 長瀞変成岩類に見られる変形小構造及び微構造を,野外及び光学顕微鏡下で観察した結果,次のような5つの変形時期が識別された。 D_1:小構造としては鉱物線構造・intrafolial fold(rootless fold・closed foldを含む)。微構造としては,intrafolial fold・ptygmatic fold・hericitic textureなど。 D_2:小構造としては軸面へき開・縮緬皺へき開・boudinage〜膨縮構造・横臥褶曲,微構造としては,縮緬皺へき開・微褶曲・boudinageなど。 D_3:小構造としては正立褶曲・傾斜褶曲・キンク褶曲,微構造としてはopen fold・chevron fold・キンク褶曲・reverse typeのキンクバンド(このキンクバンドはD_4期のものかもしれない)など。 D_4:小構造のみで,reverse typeのキンクバンド。 D_5:小構造としてはnormal typeのキンクバンド・ductile fault・雁行脈・微構造としてはductile faultなど。 以上のような変形の時間系列は,「変形相」が時と共に後退して行ったことを示している。このことはまた,温度または封圧の低下,あるいは変形速度の増大,さらにはこれらの複合的効果を意味するものである。変形様式もまた時と共に,layerーparallel simple shearからlayerーparallel〜layerーoblique shear・contraction・extensionなどへと次第に複雑化して行ったことが推察される。
|