1990 Fiscal Year Annual Research Report
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02640600
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
君波 和雄 山口大学, 理学部, 助教授 (20127757)
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Keywords | 付加体 / 緑色岩 / メランジ / 海嶺の衝突 |
Research Abstract |
今年度は以下の調査・研究を行い,次の成果を得た。 1)、北海道紋別市西方に分布する日高累層群ルロチ層の地質調査を行い,当地域の層序、岩相分布・緑色岩の産状・緑色岩の分布等が明らかになった。 2)ルロチ層の緑色岩は,粗粒玄武岩・塊状玄武岩・枕状玄武岩・ハイアロクラスタイト等から構成される.粗粒玄武岩は時にこれに接っする泥質岩に熱変成を与えている。また,玄武岩中に泥質岩ゼノリスが存在することや枕状玄武岩のインタ-ピロ-が泥質岩から構成される場合があることが明らかとなった。これらの事実は,ルロチ層を構成する陸源砕屑岩と緑色岩がほゞ同じ環境中で形成されたことを示している。 3)協同研究者と共にルロチ層中の緑色岩の化学分析(主成分組成・微量成分組成)を行った。その結果,これら緑色岩の化学組成が海嶺玄武岩に類似することが明らかになった。 4)北海道紋別市南方に分布する日高累層群の地質調査を行った。その結果緑色岩の分布や産状が明らかになり,少なくとも緑色岩の一部が陸源砕屑物の堆積する環境で噴出もしくは貫入したことが分かった。 5)本テ-マをさらに広域的に発展させるためる研究として,四国の四オフ累層群牟岐層や九州の四万十累層群槙峰層の調査を行った。両層共にかなり多量の緑色岩を含むが,層状チャ-トをほとんど伴わず,砕屑岩の堆積と緑色岩の形成が同時期である可能性をもっている.調査の結果,両層中の緑色岩は,日高累層群中のそれと類似した産状を示し,陸源砕屑物堆積場で噴出もしくは貫入したと堆定される.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 君波 和雄・宮下 純夫: "日高累層群ルロチ層の層序・構造および緑色岩の産状" 地質学雑誌.
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[Publications] 君波 和雄・宮下 純夫: "上部白亜糸四万十累層群槙峰層(九州)中の緑色岩の産状と化学組成" 地質学雑誌.
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[Publications] 君波 和雄・宮下 純夫・川端 清司: "日本列島に沿うクラー太平洋海嶺の移動:その地質学的意義" 月刊地球. 12. 507-515 (1990)