1991 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本内帯西部域の後期新生界(とくに内陸相)の推積相解析
Project/Area Number |
02640601
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
水野 篤行 愛媛大学, 理学部, 教授 (60181898)
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Keywords | 西南日本内帯西部域 / 後期新生界(内陸相) / 推績相解析 / 西条層 / 三豊層 / 焼尾峠層 / 土柱層 |
Research Abstract |
松山市付近の郡中層,香川県下の三豊層・焼尾峠層,徳島県下の土柱層・森山層,広島県中部の西条層,同北部の甲立楽層について野外調査を行い,それぞれの推積相解析を通じて推積学的特微,逓構環境との関連性を明らかした。これらの研究を通じて,前年度講入の偏光顕微鏡一式を活用し、岩石学的・鉱物学的誘性質のデ-タを得た。野外調査においては,とくに西条層,三豊層,焼尾峠層の推積相解析に重点をおいた、主な知見は次のとおりである。 1)甲立礫層は中新層に属し,第四紀の活動と考えられてきた船佐衝上断層の活動は,都市三紀末であった可能性が高い。 2)土柱層は,中央構造線の走向移動すべりに伴って形成された。 3)本州西部域を通じて,共通的に,100万年前後以降,河成礫層の推層が前期便新世を通じて顕構であり,中国地方背東部の著しい降起が示されている。 4)西条層(前期ー中期便新世)は全体的に数10cm〜1.数m厚の上方細粒化シ-クエンスの累重からなることが明らかにされた。全般的には破提推積物にはじまり,沈盤原推積物あるいは残留河道推積物からなるが,とくに上部では比較的小規模な、側方からの扇状地推積物が少なからず含まれ,同居推積期を通じて漸次的な後背地前進が行われたことが示されている。 5)三豊層は主として網状河川推積物,部分時に虻行河川推積物からなり,その上位の焼尾峠層は扇状地推積物からなる。推積相解析の結果,三豊層推積期に南方の河讃山地を横切る河川によってさらに南方の三波川結昂芝岩礫が供給され,焼尾峠層推積期にはその直前の薩起・断層活動後,著しい後背地の前進が行われた。四国東部の山地形成海の上に重要な材料を提供している。
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[Publications] 水野 篤行,藤川 聡: "香川県下三豊層・焼尾峠尾の推績学的研究" 第四紀研究.
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[Publications] 水野 篤行,平川 昇一: "東広島市南方の西条層:推績相解析" 推積学研究会報.
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[Publications] 水野 篤行: "中国地方西部の後期新生界に関する新知見" 地質ニュ-ス.