1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640613
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
松田 伸也 琉球大学, 教育大学, 助手 (30157317)
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Keywords | サンゴ礁 / 無節サンゴ毛 / サンゴ毛球 |
Research Abstract |
平成3年9月に石垣島で試料探取を行い、礁池・礁斜面の試料を増やすことができた。 琉球列島沖縄島近海の水深50mから200mの範囲で,地質調査所により採取された合計119地点の堆積物試料および海底写真・試料写真を用いて、サンゴも球の分布・被度について検討した。また琉大海学科実習航海(RNー87,88)時に採取された試料を用いて、陸棚サンゴ毛球上の生体サンゴ毛の被度を求めた。 生体の無節サンゴ毛と有孔虫Gypsina planaに被覆されたサンゴ毛球は水深135m以浅に限ってみられる。サンゴ毛球およびそれが密集して岩塊状を呈する部分の底質全体に対する被度は最大75%に達する。サンゴ毛球を構成する無節サンゴ毛は約30種におよび、その大部分が未記載種である。水深79・82・98mの3地点で、生体サンゴ毛群集全体の被度は約30〜40%で,その表徴種はLithophyllum sp.である。本種には外見工類似した種が多いため、本種も含めてその全体を厚型種と称すると、厚型種全体では約10%の被度を示す。水深124mの地点ではサンゴ毛群集の被度は5%以下になる。G.planaは79・82・98・124mの地点で約10%生育している。 本研究により、沖縄島近海の礁前縁深部・陸棚には広い範囲にわたって、きわめて大量のサンゴも球が分布し、大量のサンゴ毛が生育していることが定量的に明らかになった。このことは、礁前縁深部から陸棚が活発な有機炭素・無機炭素の生産の場であることを示している。
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Research Products
(1 results)