1991 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライトの骨格構造原子の同形置換及び置換体の形態制御と触媒特性
Project/Area Number |
02640628
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 泰章 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90029702)
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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Keywords | 合成 / Gaーホウフッ石 / ZSMー5 / 連続固溶体 / 結晶成長 |
Research Abstract |
ホウフッ石のGa置換体(Gaーホウフッ石)の合成法はほぼ確立できた。従って、実験の次の段階としてAlーホウフッ石とGaーホウフッ石との間の固溶体の合成を行った。その結果、これら端成分間では連続固溶体が得られ、出発組成と生成物のそれぞれのGa/(Al+Ga)原子比の関係は、理想固溶を示す直線関係が得られた。また、得られた固溶体の格子定数は全て立方晶で表示でき、その値はGa含有量の増加と共に増大し、Ga端成分で最大であった。これは、AlよりもGaの方がイオン半径が大きいことによって起こる。なお、この格子定数の増大と固溶液体のGa含有量の関係は厳密なVegard則が当てはまらなかった。その理由は、固溶体のSi/(Al+Ga)比が一定ではなく、この比はGa含有量の少ない側では幾分高く、多い側では幾分低下するため、イオン半径差だけではなく、これらの効果も加わって格子定数はS字カ-ブを描きながら増大することが分かった。結晶の成長はGaの含有量で異なり、その増大と共に大きく成長することが判明した。このため、Gaー端成分の形態はよく発達した。全てのホウフッ石が二十四面体(trapezohedron)を示した。 ZSMー5のGa置換体の合成を行ったところ、これも容易に置換できることが判明した。そこで、Al置換体との間での固溶体の合成を試みた。その結果、このゼオライト系でも連続固溶体が生成する合成条件を、現在確立しつつある。これまでに判明しているところでは、GaとAlの端成分の結晶形態はいずれも針状ないしは柱状晶として発達し、その大きさもほぼ似てることある。このため、触媒反応を調べるには大変に都合よい。 これまでのゼオライトの合成は、全てシリカ源に金属ケイ素を使用してきたが、使用上注意すべきことは粉末ケイ素の表面酸化である。最近、ZSMー5のGa置換体を合成して再現性の低下によって判明した。
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