1990 Fiscal Year Annual Research Report
外乱除去機能をもつフェ-ズロック半導体レ-ザ-干渉計による実時間表面形状計測
Project/Area Number |
02650027
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 修己 新潟大学, 工学部, 助教授 (90018911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝昌 新潟大学, 工学部, 助手 (40206496)
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Keywords | 半導体レ-ザ / レ-ザ干渉計 / 表面形状計測 |
Research Abstract |
光源として半導体レ-ザを用い,半導体レ-ザの発振波長可能性を積極的に利用することにより,周囲の環境条件の悪い工場内においても,数ナノメ-タの精度で表面形状を実時間で容易に測定できる高精度なフェ-ズロック半導体レ-ザ干渉計を構成した。 半導体レ-ザ干渉計では,温度変化に伴う半導体レ-ザの発振波長の変動や光学部品の機械的振動などの外乱により,干渉信号の位相が変動する。この位相変動が表面形状として測定されるため正確な表面形状計測が困難となる。そこで,外乱による位相変動を固定された測定点において検出し,測定点を走査することにより得られる表面形状から,この位相変動を差し引くことにより,正しい表面形状を得る。この2つの測定点に対するフェ-ズロックのフィ-ドバック制御の操作を交互に行い、外乱を除去しながら高い測定精度で表面形状計測を行った。 まず,外乱除去の基本特性を調べるために走査する測定点を固定した。干渉計内のミラ-を正弦波振動させることで位相変動を与えた。走査する測定点と固定された測定点で検出されたそれぞれの位相変動の差の2乗和平均根を求め,外乱除去の程度を評価した。その結果,完全に除去されずに残る外乱の大きさは5ナノメ-タ位であることが示された。 次に,ダイヤモンドバイトで切削されたアルミニウム円板の表面形状を測定した。繰り返し測定精度は,外乱を除去しない時は約20ナノメ-タであるのに対し,外乱を除去した時は約5ナノメ-タであり,外乱による影響を約1/4以下に抑えることができた。 最後に,アルゴンレ-ザを光源とする正弦波位相変調干渉計を本フェ-ズロック干渉計と同時に用い,2波長干渉計を試みた。これにより,ミクロンオ-ダの大きな変化をもつ表面形状を,同様なフィ-ドバック制御によって実時間で測定できることを原理的に確かめた。
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