1991 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビ-ムによるサブミクロニ領域の高時間分解能温度計測
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02650030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鷹岡 昭夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (80029272)
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Keywords | 温度計測 / 局所温度 / 薄膜 / 熱伝導率 / 熱拡散係数 / 電子顕微鏡 / 電子ビ-ム |
Research Abstract |
熱散漫散乱によるビ-ムの薄膜試料透過率の変化を利用すれば、試料上の温度が計測できる。電子ビ-ム源として電子顕微鏡を利用することにより、高い空間分解能が得られる。これに半導体レ-ザ-による局所加熱を組み合わせると、薄膜の熱伝導率が計測できる。これには次の2つの方法がある。 (i)局所加熱時の薄膜上の温度分布を測定し、その温度上昇値より熱伝導率を計算する。 (ii)熱源強度を正弦波で変調し、観測定での温度の熱源よりの位相遅れから熱伝導率を計算する。 本年度は後者の方法を採用し、検討した。これには次のような利点がある。 (1)熱伝導率の導出に試料温度上昇の絶対値が不要である。 (2)試料の膜厚、レ-ザ-光の吸収率、レ-ザ-出力に依存しない。 (3)電子ビ-ムプロ-ブを用いるので、試料上で計測位置を自由に移動できる。 (4)高倍率で像を観測しながら計測できる。 (5)大きな寸法の薄膜を必要としない。 しかし、次のような欠点もあった。 (6)電顕内で、集点レ-ザ-光の軸と電子ビ-ム、対物レンズの軸を合わせる必要がある。 (7)位相遅れと熱伝導率の関係は、レ-ザ-ビ-ム径やその強度分布に依存する。 今回の測定デ-タはばらついたが、蒸着アルミ薄礎(〜200nm)の熱伝導率はバルク試料のそれのほぼ1/3の約80W/mkとなった。測定精度は、今後レ-ザ-照射装置を改良することにより、改善される見込みを得た。
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[Publications] 鷹岡 昭夫,裏 克己: "薄膜熱伝導率の電子顕微鏡を用いた計測法" 日本電子顕微鏡学会第48回学徴講演会予稿集. (1992)
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[Publications] 鷹岡 昭夫,裏 克己: "サブミクロン領域の試料温度計測システムの開発と応用" 日本電子顕微鏡学会、電子顕微鏡周辺機器の活用、開発とその応用に関する研究部会講演概要集. 1 (1992)