1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650032
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鎌田 雅夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60112538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 慎一郎 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所, 助手 (00227141)
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Keywords | 軟X線 / 逆光電子分光 / スパッタリング / 電子線照射 |
Research Abstract |
平成2年度は、本研究課題の初年度であり、出発の年であるが、(1)当課題に対する交付通知が秋になされたことと、(2)研究代表者ならびに研究分担者が現職には任用されてから1年程度しか経過していないという理由のために、当初の予定より研究は遅れて始まった。しかしながら、それにもかかわらず、(1)以前に代表者が行なってきた、真空紫外域でのガスフロ-方式でのカウンタ-型逆光電子分光法の予備的実験についての反省を行ない、超高真空中での逆光電子分法にはカウンタ-型は全く不適であり、光電的手法を用いるのが最適であるとの結論を得た。また、(2)軟X線領域で光を集光するには、鏡の反射効率の点で極めて斜入射配置を取らざるを得ず、多元同時計数方式の高価な検出器が必要であり、とても予算内でまかなえないので、安価で高感度の出現ポテンシャル法を採用すべきであるとの結論に達した。したがって、(3)以上の考えに基づいて、試料槽の設計作業・業者との交渉を行ない、無事完成をみた。 現在(平成3年3月)は、試料槽に入れる予定の低速電子線回析装置や電子エネルギ-分析装置の性能評価を行なっており、ほぼ所定の性能が得られている。今後、出現ポテンシャル法用の検出器の取付けならびに検出系の準備作業を始める予定である。 一方、逆光電子分光法の場合の様に、電子線を試料に照射した場合に制動放射以外に、構成原子のスパッタ-による原子スペクトルが出現する場合のある事が、逆光電子分光の予備実験の中で明らかとなってきた。そこで、これらの原子スパッタリングの性質について、特に温度依存性について詳しく調べた。また、電子線以外にも強力な紫外光によっても同様の原子スパッタリングがみられることを見出した。これらの成果の一部は、論文として公表する共に、研究会や学会において報告し、内外の注目を集めたものと自負している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.KAMADA,E.T.ARAKAWA: "Sputtering of ExcitedーState Potassium Atoms from ElectronーBombarded KBr Crystals" J.Vac.Sci Tech.A8. 3152-3156 (1990)
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[Publications] M.KAMADA,H.YAMAMOTO,E.T.ARAKAWA: "Atomic and Molecular Spectra from ElectronーExcited Alkali Halides" Reviews of Solid State Science. 4. 603-608 (1990)