1991 Fiscal Year Annual Research Report
人工股関節骨頭コンポ-ネントの耐緩み特性に関する研究
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02650052
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
那須 康雄 山形大学, 工学部, 教授 (50007001)
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Keywords | 人工股関節 / 骨セメント / 耐緩み特性 / 骨代替冶具 / ステムーセメント界面破壊 / 骨セメントマントル内ひずみ / アコ-スティックエミッション / ステム軸方向沈込み |
Research Abstract |
本研究は、人の大腿骨を用いることなしに、人工股関節骨頭コンポ-ネントの耐緩み性性を迅速に評価するための手法を検討するもである。初年度においてFRP及びアルミニウム合金を用いて設計、製作検討した大腿骨を代替する冶具のうち、材質的に安定し、加工精度も容易に制御できる後者のアルミニウム合金製骨代替冶具を用いて、これまで良く使用された3種の代表的ステムについて、繰り返し負荷試験を行い、ステムのセメント中への沈み込み量、セメントマントルひずみ、および音響測定を行い、以下の結論を得た。 1.試験したステムの沈み込み速度は、約30〜180μm/10000Cで、内側が狭くなる台形断面のTー28(4045ー02)が最も大きい沈み込み速度を示した。 2.ステムのセメントへの固定は完全固定と部分固定の双方を試みたが、両者の沈み込み特性に大差はなかった。すなわち、部分固定でも耐緩み特性を十分評価できる。 3.ステムのproximalーmiddle境界部でのセメントマントルの軸方向ひずみと沈み込み速度は大略比例する。 4.ひずみ測定結果は、人骨を用いたBurkeの測定結果とおおむね一致することから、試験冶具が人骨の代替として緩み特性試験に十分使用できると判断される。 5.SUS316L製Tー28(4045ー02)とTRー28(4045ー16)からは繰り返し負荷中に10kHz〜20kHzに特有のスペクトルの音響が検出された。 6.セメントに埋め込まれた丸棒の押し出し試験の音響測定結果との比較より、Tー28とTRー28の音響がステム/セメント界面の剥離破壊と局部的スティックースリップによるものと判断される。 7.ステム寸法とともに表面粗さはステム/セメント界面の剥離を生じにくくするため耐緩み特性の向上に有効である。
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[Publications] YASUO NASU,H.IDA,M.SUGANO,M.HAMASAKI,T.TAKEDA: "LOOSENINGーPROOF OF THE FEMORAL COMPONENT STEM" PROCEEDINGS OF THE 35TH JAPAN CONG.MAT.RES.(1992)