1991 Fiscal Year Annual Research Report
パルスイオンビ-ムによる材料表面の改質に関する研究
Project/Area Number |
02650055
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Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
鷹合 徹也 山梨大学, 工学部, 教授 (80020460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八井 浄 長岡技術科学大学, 教授 (80029454)
中山 栄浩 山梨大学, 工学部, 助手 (40227971)
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Keywords | パルスイオンビ-ム / 金属チタン板表面 / B、Nイオン注入 / X線解析 / ESCA / 窒素分圧 / 力学特性 / 物理的性質 |
Research Abstract |
本研究はMeV級の高エネルギ-のパルスイオンビ-ムを用い、金属材料を始め、各種工業材料、特に金属チタンの表面にB,NあるいはGa,Pイオン等を注入し、注入材料表面の改質、向上を計ることを目的とするもので、長岡技術科学大学に設置の装置を用い、同大学関係教官の協力を得て共同研究を進めた。イオン源はアノ-ドに貼付けた厚さ約1mmのBN焼成板及び合成アパタイト板で純金属チタン板をタ-ゲットとして注入を試みた。 主に前年度に照射効果に付いて種々の物理的分析の結果から検討を進め、また硬さ、表面形状の測定等を行って来た。ESCAによる分析の結果では照射条件を特定の条件に選択することに依って確実な注入効果を得ることが可能となった。しかし、分析の結果ではその注入量は僅少であり、材料試験による力学特性の測定、分極電位の測定による耐食性の評価等、工学的特性の観点からはイオン注入効果の確認には困難があった。さらに、注入効果の安定性の面でも必ずしも満足出来る結果が得られず、注入条件に付いては引続いて検討を重ねる必要が見られた。 今年度は前年度の結果を参考に検討した上で、イオン照射と合わせ、化学的に窒素ガス、酸素ガス等の投入を行いこれを材料表面、特に金属チタン表面で反応させ、表面の酸化、窒化並びに酸素、窒素の固溶によって得られる表面改質効果について、反応の速度論、力学特性に与える効果等の面から基本的な検討を併せて実施することとした。窒化については窒素ガス分圧を10^<-2>Torr以上、窒化温度を973Kに選択することにより靭性を損なうことなく耐力、引張り強さを10%向上させ得ることを確認し、またX線解析の結果からも窒化物の存在を確認する事が出来た。
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Research Products
(1 results)